佐倉しらい動物病院ブログ

ショック状態って?

こんにちは、獣医師の白井顕治です。

この記事では、ショックについて情報を記載していきます。

「ショック」という単語は、よく認知され、日常の会話の中でもよくつかわれる単語だと思います。

日常で使われる場合には、突然の、特にマイナス要素の影響を与えるような出来事による精神状態の変化を指すと思いますが、

医学的には異なります。

ショックは症状の名前で、例えば「発熱」や「下痢」と同じように、特定の症状・状態を指します。

「発熱を起こす病気」といっても食中毒や感染症、腫瘍や熱中症など、沢山の病気がありますよね。

同様に、ショックを起こす病気もいろんなものがあります。

どのような状態にしろ、ショックとは「全身の血液循環が不良で、重要な臓器を維持するための血流が不足している状態」を指します。

ショックの症状としては、低血圧、呼吸速迫、虚脱、ふらつき、頻拍などが一般的に認められますが、ショックを起こした原因によって、また、その時のペットの状態によって症状が異なることは良くあります。

著しい痛みや心不全、大量の出血、感染症、薬剤による中毒、毒物への暴露、著しい脱水等によっておこることがあります。

日常的にショックに陥る具体的な原因として、多いものに

・重度の外傷や交通事故

・腹腔内の腫瘍の破裂

・子宮蓄膿症や膵炎などの激しい炎症

などがあげられます。もちろんこれ以外にもショックを起こしうる病気は存在しますが、日常的な遭遇頻度は低いといえます。

重度な外傷になるような事態として、より具体的には高所からの落下や大型犬からの咬傷、日本ではあまりありませんが銃で撃たれた、野生動物に襲撃されたなどがあり、どれも激しい組織の損傷と大量の出血を伴います。

・腹腔内の腫瘍に関しては、大型になるまで発見されないこともあります。腹腔内の臓器は腹膜という薄い膜で包まれていますが、その中身が腫瘍化して膨張すると、腹膜が膨らみより薄く破裂しやすい状態になります。

ゴム製の風船が、しぼんでいる時と比べて膨らんでいる時のほうが破裂しやすいのに似ていますね。

こうした状態のものが腹腔内にあると、階段から降りたりお腹を少し強く押したりするという日常的にかかる弱い刺激に対して腹膜が裂開して腫瘍が破裂してしまうことがあります。

この場合にも即座に激しい出血が起こるとともにショック状態に陥ることがあります。

最後に子宮蓄膿症や膵炎などの激しい炎症です。

このような激しい体内の炎症がある場合には、局所の炎症により体液が一か所に移行してしまうことによりショック状態を起こしてしまう可能性があります。

いずれにせよショック状態は緊急で輸液や検査が必要な病状となりますので、疑われる場合には速やかに動物病院へ連絡し、受診しましょう。

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