佐倉しらい動物病院ブログ

皮膚病の仔(特にアトピー性皮膚炎)のスキンケア

こんにちは、獣医師の白井顕治です。

このページでは皮膚疾患の仔のスキンケアについて記載させていただきます。

(関連記事「アトピー性皮膚炎について」)

皮膚が健康な仔について、このページに書かれているようなスキンケアは必要がないことが多かったり、「ここまで気を付けなくてもいいかな」ということも多いですが、同様に行っても正常な仔の皮膚が悪化することはありません。

スキンケアの種類

スキンケアには、分け方にもよりますが、

〇皮膚から余計なものを取り除いてあげることが目的のスキンケアと

〇皮膚を正常化させるためのスキンケアに分かれます。

皮膚から余計なものを取り除くためのスキンケアについてですが、

余計なもの、とはフケや抜けた毛、細菌やほこりなどが含まれます。こういった「自分の体ではないもの」が皮膚に付着していると皮膚疾患が悪化してしまったり、改善か遅れてしまったりします。

このようなスキンケアには

〇洋服を着せてあげる

〇お散歩から帰った後に、絞った濡れタオルで体を拭いてあげる

〇シャンプー療法

〇生活環境を清掃してあげる

等があります。

ごく軽度のアトピー性皮膚炎の仔は、洋服を着せてあげるだけでも良好に改善することがあります。

着せてあげる洋服などは、人と同じように毎日洗ってあげてくださいね Σd(゚∀゚d)

生活環境を清掃してあげるという中には、いつも使っているクッションやタオルを洗ってあげるとともに、空気清浄器などを使用するというのもよいでしょう。

こちらも、使用を始めてから皮膚のかゆみの様子が減ったということはよく経験します。

シャンプー療法については、また違う記事で詳細に記載させていただきます。

皮膚を正常に保つためのスキンケアとしては

〇シャンプー療法

〇保湿

〇かゆみのコントロール

があります。

シャンプー療法で余分な成分を洗い流してあげることはかゆみの軽減や皮膚が正常に修復されるのに重要な工程です。

また、この中でも特に大切とされているのが保湿剤の使用です。

シャンプーで余計なものを取り除いて、保湿で大切なものを足してあげることがスキンケアの基本といえます。

アトピー性皮膚炎の仔の皮膚は(割と多くの仔が)べたべたとしているので、保湿なんていらないな・・・。と考えられがちですが、それは間違いです。

皮膚が産生する皮脂(脂肪酸)にはいくつかの種類があり、アトピー性皮膚炎(慢性の皮膚疾患)になっていると、通常皮膚の保湿の必要な種類ではない違う種類の脂肪酸を過度に産生してしまうことが知られています。

なので、この過度に産生された余分な脂肪酸をシャンプー療法によって除去し、本来必要な保湿成分としての脂肪酸を皮膚にスポット滴下したあげたり、スプレー塗布したあげることが大切です。

当院では、保湿剤としては主にヒノケアローションやダームワンなどの商品を、その子の毛質に合わせて処方していきます。

(保湿剤はローション、クリーム、油性タイプ、そして滴下式やスプレー、手で塗布するなど様々な商品があり、使用しているということに満足せず、その仔に適したものを使用することがとても重要です。)

また、最後のかゆみのコントロールについてですが、どんなに頑張ってスキンケアをしても、最後にガリガリとかきむしってしまっては良くなるものも治りません。

まずかゆみをコントロールしてあげて、ほとんどかゆみを感じないくらいまでコントロールしてあげることが皮膚を正常化するのに大切ということですね。

次回はシャンプー療法について記事を書かせていただきますので、ぜひ参考にしてくださいね。(`・ω・´)ノ 

関連記事「アトピー性皮膚炎について

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