実績詳細

ラブラドールレトリバーの頭部に形成された皮脂腺上皮腫

種類 ブラドールレトリバー
年齢 10才
診療科目 腫瘍科 
症状 頭部に腫瘤があって、気にしてひっかいて出血してしまっている。

症状の概要

皮脂腺上皮腫は皮脂腺に由来する良性の腫瘍ですが、増大すると局所リンパ節に転移することがあるため、摘出には注意が必要な腫瘍の一つです。一般的な良性腫瘍全般に対する外科手術の適応についてですが、直径が4センチ以上になっていたり、ペット本人が気にしていたり、出血や感染を繰り返している場合には何らかの外科的処置が適応となります。腫瘍の大きさによって、今回のような外科手術を選択する場合や、凍結処置、局所抗がん剤投与等が選択肢として挙がります。

検査結果

症例は元気活発であった。

 

頭頂部に直径2センチほどの有茎状の腫瘤を確認したため、針吸引生検を実施した。

 

ーー以下針吸引生検細胞診所見ーーー

異型性に乏しい小型上皮細胞が多数得られており、皮脂腺への分化が認められることから、皮脂腺上皮腫が第一に考えられます。皮脂腺上皮腫の多くは良性ですが、ごく稀にリンパ節に転移することがあります。

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以上より、皮脂腺上皮腫と仮診断し、出血もしていることから、外科的に摘出することとした。

治療方法

 

周囲は頻繁に掻くことによって蜂窩織炎になっていた。皮脂腺上皮腫を疑っていることから、腫瘍周囲1センチマージンで切除を行った。

 

また、下顎リンパ節の廓清を実施した。

 

 

治療・術後経過

術創は感染を起こさずに良好に治癒した。

 

ーー以下摘出した腫瘤の病理所見ーーー

 

摘出された皮膚の腫瘍は、皮脂腺由来の腫瘍です。腫瘍は、皮脂腺に分化する前の皮脂腺芽細胞が主体となっており、通常の皮脂腺腫に比べ、やや分化の低い腫瘍です。腫瘍の境界は明瞭で、マージン部に腫瘍細胞は認められず、摘出状態は良好です。今回の切除により予後は良好である可能性が高いと考えられます。

 

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経過良好

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