目次
腫瘍の由来
腫瘍は、何もないところから発生するのではなく、由来があります。この記事では、骨に由来する腫瘍について解説していきます。
骨に腫瘍があるときの症状は?
多くの場合は骨に痛みが生じるため、破行が認められます。また、局所の腫脹や元気消失が認められることもあります。
その他、腫瘍の種類によって高カルシウム血症や高グロブリン血症、ALKPの高値が認められることがあります。
骨(皮質骨・骨髄・軟骨)が由来の腫瘍とは
骨に由来する腫瘍として、骨肉腫や軟骨肉腫、組織球肉腫や軟骨肉腫、扁平上皮癌、多小葉性骨軟骨肉腫、血管肉腫や多発性骨髄腫などがあげられます。
腫瘍に似ている疾患は?
骨に由来する腫瘍と似ている疾患としては、汎骨炎や肺指症候群や肥大性骨異栄養症などがあげられます。
骨が由来の腫瘍の診断法は
細胞診や生検が実施されます。
生検を行う場合には、病的骨折を生じる可能性が生じますので注意が必要です。
腫瘍が発生している動物種、年齢、品種、場所により好発部位によって腫瘍の種類が推定されますが、これだけの情報では確定診断が行えないため、前述の細胞診や生検を実施して診断を行います。
骨が由来の腫瘍の治療方法は
腫瘍の種類及びステージや組織グレード、により、拡大切除や断脚、抗がん剤や放射線治療が選択されます。
骨が由来の腫瘍の治療費用は?
上記の治療方法により、治療費用が施設ごとに設定されています。
術式や体格によっても手術費用が変わってきます。また、放射線や抗がん剤についても、使用する薬剤や麻酔回数の変動によって総合の治療費用が変動します。
まとめ
骨に由来する腫瘍には良性の者があまりなく、中には若齢期に発生する腫瘍も存在します。
腕や肋骨、頭蓋骨の骨の変形が疑われる場合には速やかに動物病院を受診し、診断および治療プランの決定を行いましょう。
著者プロフィール
白井顕治(しらい けんじ)院長
獣医師、医学博士、日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医総合臨床認定医
千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。
当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。