こんにちは、獣医師の白井顕治です。
この記事では、ペットの慢性腎不全の定期検診について記事にさせていただきます。
記事の本題の前に、慢性腎不全という単語が良く世間的に認知されていますが、昨今はより適切に状態を表している「慢性腎障害」というように名称が変わってきています(が、やはり腎不全の方が認知されてしまっているので、タイトルは腎不全にしてしまいました。)
さて、犬と猫で気にしなくてはならない検査項目はそれほど変わりませんが、参考とする数値は若干異なります。
この記事では、検査項目を記載させていただきます。
慢性腎障害というのは、短期的には改善したように見える事がありますが、長期的には病気はゆっくりと進行していくため、「腎臓を良くすること」というより「悪化を緩やかにする」ことを目標にします。
そのためには、「悪化しにくい」ことをして、「悪化を進める要因」を避けます。
定期検診としては、後記の「悪化を進める要因」が生じていないかどうかをチェックします。
大きく分けて、
尿検査(定期検診の目安は2-4か月おき)
血圧測定(定期検診の目安は3-6か月おき)
血液検査(定期検診の目安は6-12か月おき)
に分かれます。
定期検診の目安というのは、あくまで目安であり、そのペットの現状や年齢、臨床症状の有無によって変わりますので、個々のペットについての検診の感覚の目安はかかりつけ医と相談してあげてください。
また、検査はなるべく負担の少ない検査を多く採用したいところですので、まずは自宅で採尿することができればペットが来院する必要がない尿検査は少しこまめに行います。その代りに来院して採血が必要な血液検査は少し間隔をあけていきます。
血圧測定は来院しますが、しっぽや足先を少し握る程度なので、強い負担とは言えないと思いますので、真ん中くらいですね。
それぞれの件sで注目してみる項目などは、また後日記事にさせていただきます。