実績詳細

チワワの胆嚢粘液嚢腫による胆嚢壊死

種類 チワワ
年齢 5歳
診療科目 軟部外科・整形外科 消化器科 
症状 元気と食欲がない。

症状の概要

胆嚢粘液嚢腫は小型腫やトイ種の犬に比較的よく発しする胆嚢粘膜由来の病変である。腫瘍性の病気ではないものの、徐々に胆嚢内に粘液が貯留することによって、胆嚢の内腔が狭くなり、胆管を閉塞したり胆のう壁を圧迫することによって壊死・破裂を発生させる原因となる。

検査結果

症例は普段なら元気があり食欲も旺盛な性格であったが、突然元気がなくなってしまったという主訴であった。

対症療法で経過を観察するか、検査を実施するか相談したところ、検査を希望されたため、血液検査やレントゲン、エコー検査を実施した。

 

その結果、胆嚢粘液嚢腫によって胆嚢破裂が生じており、黄疸や腹水貯留が認められた。

 

ご家族に病状を説明し、開腹して胆嚢摘出手術を行うこととなった。

治療方法

点滴を行い状態を安定させたのちに、手術を行った。

 

開腹すると、血様の変性性腹水の貯留が認められた。また、わずかに胆嚢粘液嚢腫の破片が飛散しているのが確認できた。

胆嚢の内容を掻きだし、胆嚢を切除した。

胆管の疎通を確認し手術終了とした。

 

 

掻きだされた胆嚢粘液嚢腫の中身

治療・術後経過

 

ー-以下病理所見ー-

 

検索した胆嚢では、粘膜は広範囲な壊死に陥っています。胆嚢内には、多量の粘液貯留が起こっており、胆嚢粘液嚢腫から虚血性の壊死に陥ったと考えられます。

ー-

 

症例は、術後2日目より良くご飯も食べ、血液検査においても数値が改善傾向になった。その後、点滴を外して退院とした。

 

経過良好

 

担当医・執刀医:白井 顕治

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