実績詳細

神経症状を呈する犬への胃瘻チューブの設置

種類 MIX
診療科目 内科 
症状 グルグル歩き回る

症状の概要

疾患によっては、消化器は健全だが、食事が食べられなくなってしまうことがしばしばあります。そのような、「食べればもう少し持ちそうなのに、食べてくれない」状態であると、その仔の命を一番縮めてしまう要因は飢餓や脱水であると言えます。根本的な治療であるとは言えないが、そのような場合には食道チューブや胃瘻チューブを設置することによって飢餓的状態から脱出し、それによって状態が安定化することの良くあります。栄養チューブの設置は多くの飼い主様がためらわれる処置ですが、管理は難しいものではありません。また、栄養チューブ設置以外にもわんちゃんやネコちゃんにご飯を食べさせてあげるテクニックがありますので、ご相談ください。

検査結果

 

症例は診察室に入るとグルグルと歩き回り、その歩く方向は一定していなかった。壁にぶつかるとその場で立ち止まってしまうことが多かったが、時に方向転換ができることもあった。

 

歩様より高次意識障害が疑われ、頭蓋内疾患の存在が強く疑われた。

 

けいれん発作などは起こしていなかった。

 

 

 

また、症例は周囲のことにあまり関心なく生きているため、食事をほとんどとっていないため、

 

重度に脱水・削痩していた。

 

血液検査や超音波検査では飢餓によるもの以外に異常は認められなかった。

治療方法

ご家族と相談した結果、頭蓋内疾患についての確定診断をするためには麻酔下でのMRI検査などが必要となること、また、もし異常があったとしても頭蓋内手術は行いたくないということでした。

 

症例は頭蓋内疾患は存在するものの、ほかの臓器系に異常が認められないため、食事さえとれれば体力が回復する可能性が考えられた。

 

したがって提案として、胃瘻チューブを設置することによって食事をとらせてあげ、飢餓状態を改善してあげることとした。

 

 

胃瘻チューブの設置を行った。

 

栄養補給以外には抗生剤および抗血小板療法を行った。

 

 

治療・術後経過

チューブは麻酔下で内視鏡を用いて設置された。

 

麻酔下らは正常に覚醒し、設置後は胃瘻チューブから栄養と水分が入ることによって、削痩した体重が戻ってきている。

 

また、それに伴って、手で口元に運んで行けば少し口からもご飯を食べるようになった。

 

現在も徘徊しているが、体重も徐々に重くなってきて、健康状態に異常は認められない。

 

経過観察中

 

担当医:白井 顕治

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