実績詳細

雑種猫の口腔内に形成された炎症性肉芽腫

種類 雑種猫
年齢 6歳
診療科目 軟部外科・整形外科 歯科 
症状 口の中にできものがある

症状の概要

口腔内に形成される炎症性肉芽腫は、歯肉炎に誘発することが多く、犬にも猫にも発生が認められる。特に多い発生部位として、舌の下や頬の舌側があげられる。
このような口腔内の腫瘤性病変は、診断を行うために麻酔をかけ、組織を取って病理検査を行う必要がある。通常の体表腫瘍のように針吸引生検による細胞診では、正しく診断を行えない確率が高いためである。

こういった検査の結果、扁平上皮癌や悪性黒色腫という結果が出た場合には、完全切除を目的とした第二手術や放射線治療について相談すべきであるので、迅速な診断を行うために麻酔下での組織生検が重要となる。

検査結果

症例は左の口角舌側に乳頭状の腫瘤が形成されており、時に誤って噛んでしまうことにより出血を繰り返していた。

 

検査のため、麻酔下での生検を実施することとした。

 

 

摘出した生検材料を病理組織検査に提出した。

 

ーーー以下病理所見ーーー

採取された組織では、表層部は潰瘍を呈し、化膿性の炎症を伴った肉芽組織の増生が起こっています。歯石やかみ合わせなどの刺激により、この部分に慢性的に持続する刺激が加わり、炎症を伴った肉芽組織の増生が起こった可能性があります。検索した組織には、明らかな腫瘍性の病変は認められません。

 

ーーー

治療方法

病理組織検査の結果、腫瘍性病変ではなかったため、経過観察をすることとした。

 

治療・術後経過

また、今回の症例においては、このような炎症性肉芽腫の可能性も考慮して、歯の周囲のクリーニングも同時に行っておいた。このような肉芽腫は再発を繰り返すことが多いため、こまめに観察を行っていく必要がある。

 

担当医・執刀医:白井顕治

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