こんにちは、獣医師の白井顕治です。
この記事では、ペットのエコー検査について情報を記載していきたいと思います。
エコー検査は、超音波検査とも呼ばれますが、同じ検査を指します。
超音波を用いることにより、体の内部の構造を確認することができます。
レントゲン検査同様、皮膚や体を傷つけることなく内部が確認できるため、通常の診療ではなくてはならない検査機器の一つです。
使用する物も音波なため、体への害もありません。
エコー検査をする際に、毛刈りを行う場合もありますが、当院においては癌の診断や腹水や胸水を抜去する際などに毛を刈ることはありますが、通常の検査において毛を刈ることはあまりありません。
エコー検査を使用する目的は多岐にわたり
消化器科
腸管の動きやリンパ節の腫れ、炎症の有無を確認します。
循環器科
心臓の動きや、心筋、弁膜の状態の確認、血液の逆流の有無や程度の評価、心臓の大きさの評価などを確認します。
腫瘍科
血流の有無や周囲のリンパ節の評価、また、細胞を採材するときに、エコー下で行うことがあります。
神経科
水頭症の評価や脳圧評価を行うときに泉門や後頭部から超音波を当てることがあります。
眼科
水晶体より奥の硝子体や網膜の状態の確認に用います。
特に角膜が濁って外見からは目の状態が把握できない場合や、水晶体が脱臼している場合、眼の中の腫瘍が疑われる場合や網膜剥離の診断にも有用です。
泌尿器科
腎臓、尿管、膀胱、オスであれば前立腺の状態の確認をすることができます。
腎臓の腫瘍や、腎結石、尿管結石、膀胱の腫瘍や膀胱結石、前立腺肥大や膿瘍、嚢胞、腫瘍の診断などに用います。
整形外科
靭帯や軟骨の状態、関節内の液体の貯留の評価に用いることがあります。
具体的には、前十字靭帯の断裂や膝蓋骨の脱臼、上腕二頭筋腱炎の診断に用いることができます。
エキゾチック診療科においても、カメやトカゲ、ハムスターやウサギなどに用いることができるため、比較て行われることの多い検査です。
エコー検査があまり行えない部位としては、空気や骨などが存在する部分についてはあまり良好な画像を得ることができないため、呼吸器科などで使用する用途はあまりありません。
また、骨盤で囲まれている部位の評価や、大便などがある直腸の評価も難しいことがあります。
とはいっても、前述したように、検査中に体を保定するということ以外に特にペットに負担を強いる検査ではないため、選択しやすい検査であります。
検査についてご不明な点がございましたら、お気軽にお尋ねください。