こんにちは、獣医師の白井顕治です。
この記事では、ペットの血液検査についての情報を記事にさせていただきます。
血液検査は、ペットから採血を行い、その成分を調べることにより、病気の有無や健康状態を調べるために実施される、ごく一般的な検査と言えます。
血液検査を行うための血液は、必要な血液量にもよりますが、多くの場合頸静脈から採血されます。
以前は前の腕からの採血がより一般的でしたが、ペットが高齢化するに従い、抗がん剤治療などの点滴治療を行う機会が多くなったため、なるべく前足の血管を綺麗に温存しておくために、という目的と、単純に首の血管の方が太く、採血時間が短く済み、ペットにかける負担が減るというのが採血部位の変化に影響を与えていると思われます。
ミクロフィラリアの検査や血糖値測定のようなごく少量の血液でいい場合には、私はかかとの部分から採血を行っていますが、獣医師によっては前足、内股、頸部等、どこからでも得ることができます。
血液検査は、大きく分けて血球計算と生化学検査に分類されます。
採血で得られた血液は、固まらないように薬品を混ぜられ、遠心分離を行い血清や血漿に分離されます。
血球計算では、血液中の細胞、つまり赤血球や白血球、血小板の数を数えたり、細胞の量のバランスを見たり、異常な細胞が出現していないかどうかを見ることができます。
生化学検査では、腎臓や肝臓などの内臓の状態や、ホルモンの病気の有無などを調べることができます。
また、これらの検査は通常院内の血液検査機器で行われることが日本国内では一般ですが、さらに必要な場合にはウイルスなどの感染症の抗体価検査やホルモンの刺激検査、各種病気の遺伝子検査やホルモン刺激検査などを行うことができます。
ペットに対する医療も人医療を追いかけるように日進月歩で進化しており、やはり人医療と同様に病気が現れてから治療することよりも、現れる前に治療を開始する予防医療が進みつつあります。
犬種にもよりますが、犬であれば6~7歳、猫であれば8歳を超えたあたりから、それまで健康だった子にも徐々に病気が現れる事が多いため、そういった年齢のワンちゃんや猫ちゃんに対しては、健康そうに見える時だからこそ、検査を受けることをお勧めしております。
健康診断の項目としてまず受けやすいものとしては、尿検査や血液検査を進めていますが、品種や性別、年齢などによりなりやすい病気は異なるため、お勧めする内容が若干異なってきます。
検診にご興味がある方は、受付または獣医師にお尋ねください。