佐倉しらい動物病院ブログ

【獣医師監修】犬がご飯を食べない?原因や対処法について解説

ワンちゃんがいつもと同じようにご飯を食べない日はありませんか?

食欲がなくなる理由は、病気のサインである場合や、生理的な現象であったり、精神的な変化によって家族に何かを要求しているサインであることもあります。

この記事では、よく認められるワンちゃんの食欲低下の原因について解説していきます。

1. 健康上の問題

病気や体調不良によって食欲が低下することがあります。
消化器系の問題:

嘔吐や下痢、胃腸の不調が原因で食欲が低下することがあります。

歯や口腔内のトラブル

歯周病、口内炎、抜歯後の痛みなどで食べるのが難しい場合があります。

感染症

細菌やウイルス感染により、体力が低下し食欲がなくなることがあります。また、発熱している場合にも食欲が低下することがあります。

内臓疾患

腎臓病、肝臓病、膵炎などが原因の場合もあります。視診や触診ではなかなか判断が難しいため、エコーや血液検査を行い診断していきます。

寄生虫感染

特に子犬・幼犬で食欲が低下した場合に考えます。消化管内寄生虫が原因となることがあります。

加齢や老化

老犬になると嗅覚や味覚が衰え、食事への興味が薄れることがあります。また、消化吸収能力の低下から、一度食事をしてからおなかがすくのに時間がかかり、一日一回しかご飯を食べないということもあります。

2. ストレスや心理的な要因

環境の変化

引っ越し、家族構成の変化、新しいペットの追加などで不安を感じると食欲が低下します。また、散歩に連れていく人が変わったり、飼い主のご家族の誰かが不在時間が長くなることで食べなくなることもあります。また、特定の飼い主様からもらわないと、食事をとらないこともあります。

食事の場所や時間の変更
食事場所の移動や急なスケジュール変更が原因になることがあります。こだわりの強い性格の仔の場合には、食器を変更しただけで食欲が変化することもあります。

恐怖や不安
大きな音や叱られる経験が食事時間と関連付けられると、食欲がなくなることがあります。近隣で工事を行っていたり、大きな音で音楽やTV,動画が流れていると気が散って食事量が減ることがあります。

3. 食事の問題

フードの変更
急にフードの種類やメーカーを変更すると、味や食感に違和感を感じて食べなくなることがあります。

フードの劣化や質の低下
賞味期限切れや保存状態が悪いと、フードが劣化し嫌がる場合があります。小型犬で消費するスピードがゆっくりなのにもかかわらず、10kg入りなどの大袋を使用している場合には、袋の最後の方になると内容が劣化し、消化器症状を起こす原因となったり、食欲低下の原因となることもあります。

単調な食事への飽き
同じ食事が続くと飽きて食べなくなることがあります。これはワンちゃん各々の性格によって異なります。同じ食事を続けることが好きな仔もいれば、すぐに飽きてしまいほかのご飯を要求する仔もいます。

対策として

新しいご飯を導入する際は、徐々に混ぜながら変更する。
ご飯の購入する量や保存方法を見直し、新鮮な状態を保つ。
たまにトッピングを加えてバリエーションを持たせる。

等が挙げられます。

4. 運動不足

運動不足によりエネルギー消費が少なくなると、食欲が減退することがあります。特に雨の日で散歩に行かなかったり、冬場で運動量が低下する場合に起こりやすい現象です。

対策としては

毎日適度な運動を取り入れる。
散歩や遊びで食欲を促進するなどが挙げられます。

5.ごはんの与え方の問題

おやつの与えすぎ
おやつが多すぎると、主食への興味が失われます。

頻繁な食事の変更
フードを食べないたびに別の食事を与えると、わがままを覚えることがあります。

対策:

おやつの量を制限し、主食に集中させる。
フードを一定時間内に食べなければ片付けるルールを作る。

6. 季節や気温の影響

夏場は暑さによるストレスで食欲が低下しやすいです。
冬場は運動量が減り、食欲が落ちることがあります。
対策:

暑い時期には冷たい水を用意し、ウェットフードなど消化しやすいものを与える。
冬場は運動を増やし、体温を保つ。

緊急性の高い症状

食欲の低下以外に、以下の症状を伴う場合は、動物病院を受診することをお勧めします。

嘔吐や下痢が続く。
明らかな体重減少。
脱水症状(ぐったりしている、口が乾燥している)。
排尿・排便の異常。
元気がない、動きが鈍い。

など

まとめ

わんちゃんがご飯を食べなくなる原因は多岐にわたり、一時的なものであれば心配のない場合もありますが、長期間続く場合や他の症状を伴う場合は、適切な対応が必要です。

病気以外の原因であった場合には、日常的に健康状態を観察し、食事環境や与え方を見直すことで、改善することが多いです。ただし、中高齢になってから急に習慣を変えることは難しいため、状況によって獣医師と相談して対応していくことが大切といえます。

著者プロフィール

白井顕治(しらい けんじ)院長

獣医師、医学博士

日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医

千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。

当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。

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