～“ヒーターをつける”ではなく、“温度を管理する”という考え方を～

ここ数日で気温が一気に下がり、
鳥や爬虫類の体調不良が増えています。

人間は服や暖房で簡単に対応できますが、
動物たちは自身で温度調整する力が弱い、もしくは外気温に依存するため、
同じ寒さでも影響がはるかに大きく出ます。

特に 小型の鳥・爬虫類は、
室温がたった数℃下がっただけでも、体調が急変することがあります。

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🔥 寒さで起きやすい異常

🐦鳥類で増える症状

鳥は、体温を高く維持することで生命活動を保っています。
寒さは体温維持に必要なエネルギーを奪う方向に働きます。

見られやすいサイン：

• 羽を膨らませて動かない

• 食欲が落ちた

• 鳴かない、声が小さい

• 呼吸が浅く速い

• 足が冷たい

• 体重が減っている

※鳥は本能的に“弱さを隠す”習性があります。
「いつもより静か」は危険サインです。

※→鳥の詳しい寒さ対策はこちら

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🦎爬虫類で増える症状

爬虫類は“変温動物”なので、体温＝周囲の温度で決まります。
気温が下がると、代謝・消化・免疫が一斉に低下します。

見られやすいサイン：

• 食べない（拒食）

• 消化不良（未消化便）

• じっと動かない

• 便秘や膨満

• 呼吸器症状

• 活動量の低下

※寒い状態での給餌は消化できずトラブルにつながることがあります。
特に冬の“好意の餌やり”が事故の原因になります。

※→爬虫類の詳しい寒さ対策はこちら

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🌡️「ヒーターをつければ安心」ではありません

よくある誤解です：

ヒーターをつける
＝保温している
＝安心

実際には、
「ヒーターをつけること」は目的ではありません。
目的は**“その子に適切な温度を維持すること”**です。

そのためには：

• 温度計で実際の温度を確認する

• 種類ごとの適温を知る

• 日中と夜で温度設定を変える

• 上がりすぎも防ぐ

• 「逃げ場」「暖かい場所」のセットを作る

という考え方が必要です。

つまり：

ヒーター＝手段
温度管理＝目的

という視点に切り替えることが大切です。

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🧭 温度管理で必要なもの

特に、次の3つが重要です：

✔ デジタル温度計（できれば複数）

• ケージの中の温度は場所で大きく変わります
  （壁側と中央で数℃違うことも）

✔ サーモスタット

• 設定温度を保つための自動調整
  過熱・低温両方を防ぎます

✔ 正しいヒーター種類の選択

• 鳥と爬虫類では必要な熱の形が違います
  （遠赤外線、ライト式、パネル式など）

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🛟 保温だけでなく“覆い”も大切です

ヒーターをつけても、
“熱が逃げる環境”では十分に温まりません。

• ケージの側面を覆う

• 直接布をかけない（火災リスク）

• 焦げない素材を選ぶ

• 換気スペースを確保

覆いは 「熱を逃がさない」ための仕組みです。
火事防止のため、専用品や難燃素材を使用してください。

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🕊️ ペットショップや病院に相談してください

温度設定は：

• 種類

• 年齢

• 体の大きさ

• ケージの材質

• 室温（地域）

• 暖房位置

で大きく変わります。

「ネットで調べて自己流」は、
冬の事故が多い原因のひとつです。

飼育している種類を伝えれば、
ショップや病院で適切な器具と温度帯を教えてもらえます。

不安なときは、早めに相談してください。

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❄️ 今日からできるチェック項目

まずは“今日できること”をまとめます：

• ケージに温度計はありますか？

• 今の室温は何℃ですか？

• 夜間、急に冷えていませんか？

• 鳥：夜に光の出るヒーターになっていませんか？

• 爬虫類：寒い状態で餌を与えていませんか？

• ケージは覆われていますか？

• サーモスタットは使っていますか？

• 温めすぎていませんか？（逃げ場はありますか？）

温度を知ることが、第一歩です。

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🐾 最後に

寒さは、鳥や爬虫類にとって**“病気の引き金”**です。
多くの体調不良は 「適切な温度管理」で防げます。

大切なのは：

“ヒーターをつける”ではなく、“温度を理解して管理する”こと

です。

このあと、

• 鳥だけの寒さ対策

• 爬虫類だけの寒さ対策

を、個別の記事で詳しく解説しています。

同じ“寒さ対策”でも、
必要な温度や保温方法が全く違います。

ぜひ、飼育している種類の記事をご覧ください。

→ 鳥の寒さ対策はこちら

https://sakura-shirai-ah.com/blog/%e3%80%90%e9%b3%a5%e3%81%ae%e5%af%92%e3%81%95%e5%af%be%e7%ad%96%e3%80%91%e5%a4%9c%e3%81%ae%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%88%e3%81%af%e5%8d%b1%e9%99%ba%ef%bc%9f/

→ 爬虫類の寒さ対策はこちら

https://sakura-shirai-ah.com/blog/%e3%80%90%e7%88%ac%e8%99%ab%e9%a1%9e%e3%81%ae%e5%af%92%e3%81%95%e5%af%be%e7%ad%96%e3%80%91/

著者プロフィール

白井顕治（しらい　けんじ）院長

獣医師、医学博士

日本動物病院協会（JAHA）獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医

 

千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。

 

 

当院は国際ねこ医学会（isfm）よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。

 

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