佐倉しらい動物病院ブログ

【獣医師監修】よく見てあげよう!オカメインコに多い病気

オカメインコは、その愛らしい顔立ちと人懐っこい性格から、日本でもセキセイインコに次いで人気の高い小鳥です。飼い主さんの肩にとまって甘えたり、笛の音を真似したりと、家族の一員として多くの人に愛されています。その一方で、オカメインコには特有の病気があり、体の小ささゆえに症状が進んでから気づかれることも少なくありません。この記事では、オカメインコに多い病気をランキング形式でご紹介します。

卵づまり(卵塞)

オカメインコのメスで非常に多く見られる病気です。発情が長引いたり、カルシウム不足や肥満などが背景にあると、産卵できずに卵が体内に詰まってしまいます。急激に症状が悪化し、命に関わるケースも少なくありません。

脂肪肝症

オカメインコは比較的食欲旺盛で、シード中心の高カロリーな食事を好みます。そのため肥満になりやすく、肝臓に脂肪が蓄積して脂肪肝症を引き起こします。羽色の変化や出血斑、活動性の低下などで気づかれることがあります。

呼吸器疾患

オカメインコは呼吸器が繊細で、ほこりや乾燥、喫煙環境などの外部要因にも影響を受けやすい鳥です。細菌感染やマイコプラズマなどの感染症も加わり、開口呼吸や尾を振る呼吸が見られることがあります。

副鼻腔炎(鼻炎)

オカメインコに特徴的に多い疾患で、鼻汁や鼻づまり、くしゃみなどが見られます。環境要因に加え、感染症やビタミンA欠乏も背景となることがあります。慢性化すると顔の腫れが目立つこともあります。

外傷(翼・足の骨折など)

オカメインコは臆病でパニックを起こしやすい鳥種です。驚いて飛び立ち、窓や家具にぶつかることで骨折や外傷を負うケースが少なくありません。特に若い個体や環境に慣れていない時期に起きやすいです。

毛引き症

ストレスや飼育環境の問題、ホルモンの影響などで羽を自分で抜いてしまう行動です。オカメインコは神経質な性格の個体も多く、精神的な要因が大きく関わることがあります。

腫瘍(特に皮膚・内臓腫瘍)

オカメインコはセキセイインコほど腫瘍発生率は高くありませんが、中高齢になると腫瘍が認められることがあります。皮膚や内臓に発生するケースが多く、外見の変化や体重減少で気づかれます。

まとめ

オカメインコは人懐っこく人気の高い鳥ですが、その反面、独特の病気にかかりやすい特徴もあります。
日常の観察で「ちょっと変だな」と思ったときに、早めに受診することが健康を守る大切なポイントです。

著者プロフィール

白井顕治(しらい けんじ)院長

獣医師、医学博士

日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医

千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。

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