はじめに
お家でワンちゃんをなんとなく眺めていたら、手をしきりに舐めている…。
ワンちゃんを抱っこしようと思ったら、足の先がぺちょぺちょに濡れている…。
なんだこれは。
この記事では、このような犬が足をなめているという行為について、記事にしていきます。
足の先をなめるのは病気?
病気と言い切ることはできません。
暇だから舐めている。なんとなく舐めているということもあるかもしれません。
ただ、このように、なんとなく舐めているという程度の理由であれば、「足先の毛が薄くなる」ことや、「足先、足の裏、指の間が赤くなる」までなめることはありません。
あくまで、見た目は正常で、少し舐めている・・・
このくらいであれば、ちょっと暇だったのかな?と判断してよいでしょう。
赤くなるまで、毛が薄くなるまでなめている。
これは、病気の可能性が高いといってよいと思います。
病気である場合には皮膚病であったり、整形外科疾患や神経疾患であったりする可能性があげられます。最も可能性が高いのは皮膚病です。
皮膚病の場合
アレルギー性皮膚炎や細菌感染、マラセチア性皮膚炎や脂漏症、ニキビダニ症や毛包炎などが考えられます。(これ以外にも可能性はあります)
この際、片手なのか、両手なのか、前足だけではなく後ろも舐めているのか、季節性があるのか、いつごろから症状が始まっているのかなどの情報が重要になってきます。
整形外科疾患の場合
高所からの落下で指の骨が骨折・脱臼していることもあります。また、爪がはがれているといった場合もあります。
他にも、脊椎疾患によってしびれて、そこをなめ壊してしまう舐性皮膚炎を起こしてしまうこともあります。
そのほかの病気
そのほかの病気に関しては、問題行動として自傷行為的になめてしまう場合や、腫瘍が形成されている場合なども考えられます。また、異物が刺さってしまっている可能性も考えられますので、患部を洗浄して注意深く観察することが重要と言えます。
足先をなめている場合には、病気ではないこともありますが、このような病気にり患している可能性もあります。
ペットがやたらと足先をなめている場合には、お気軽にご相談ください。
千葉県佐倉市の志津・佐倉しらい動物病院
著者プロフィール
白井顕治(しらい けんじ)副院長
獣医師、医学博士、日本動物病院協会(JAHA)内科認定医・総合臨床認定医
千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。