犬の痙攣とは?
痙攣とは、筋肉が意識とは関係なく力が入ってしまっている状態のことです。必ずしも意識がないわけではなく、普通にしている状態のときに、体の一部がピクピクと動いてしまう状態であっても「痙攣をおこしている」という表現を使用します。
また、それが発作的にあ発生した場合には、痙攣発作(けいれん発作)と呼ばれる状態である場合もあります。その中でも特に意識消失や流涎を伴って痙攣をおこす場合には、大脳の興奮以上によって引き起こされるてんかん発作が疑われます。
犬の痙攣の原因となる病気は?
神経の異常として、中枢神経に異常がある場合と、末梢神経に異常がある場合が挙げられます。
また、神経筋接合部に関連する薬剤の中毒においても痙攣が起こる可能性があります。筋肉の疲労によっておこることもあります。そのほかの疾患として、代謝性疾患や栄養性疾患、出産後などによる低カルシウム血症によっておこることもあります。
犬が痙攣を起こしたときの対処方法
痙攣は一過性に収まってしまう可能性があるということと、痙攣をおこしている筋肉がどこなのかがわかるように、動画を撮影しておくことをお勧めします。かかりつけの病院へ連絡して、暖かくして動物病院を受診しましょう。受診時にすでに痙攣が収まってしまっている場合には、動画を獣医師と一緒に確認しましょう。
犬の痙攣の予防
痙攣は通常突発的に発生するため、予防方法はありません。ただし、すでに何らかの基礎疾患を抱えている場合には、「痙攣の治療」ということではなく、その基礎疾患の治療を実施することが痙攣の予防に効果的であるといえます。
まとめ
「痙攣」、「発作」、「てんかん」などの単語は、有名な病状を指す単語であるものの、正しく使うことが難しい部類になります。痙攣かもしれないと感じた症状を、言葉で表すことはかなり難しいため、痙攣かも。発作かも。と感じた場合には、動画を撮影してその時の様子や、発作が出たタイミングを記録しておきましょう。
著者プロフィール
白井顕治(しらい けんじ)副院長
獣医師、医学博士、日本動物病院協会(JAHA)内科認定医・総合臨床認定医
千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。