外耳炎とは
鼓膜より外側の部分を、外耳道と呼びます。
外耳道が炎症を起こしてしまう状態を外耳炎と呼びます。
炎症が起こる原因には、腫瘍性や異物、寄生虫性やアレルギー性等、様々な原因が考えられます。
猫ちゃんの外耳炎はご用心
犬と比較して、猫ちゃんは外耳炎が発生しにくいです。
中には非常に重度な疾患が隠れていることもあるため、診断や治療は気を付けて行う必要があります。
どんな原因があるのか
猫ちゃんの外耳炎の中でも、耳ダニなどによる寄生虫性、アレルギー性、異物性のものでは、一過性の症状であり、治療を行えば改善する見込みがある原因といえます。
他には腫瘍性や猫種特異的に外耳道の形が変形している場合などがあります。
腫瘍性には、鼻咽頭ポリープや耳垢腺癌、真珠腫性の外耳炎などがあげられるほか、リンパ腫などが発生することもあります。
猫の外耳道に突出した鼻咽頭ポリープ
猫の耳そうじを行ってよいか
猫は鼓膜の組織や外耳道の皮膚が非常に脆弱であるため、生理食塩水で耳道を洗浄しただけであっても、洗浄後に斜頸などの前提症状を呈する可能性があります。
そのため、自宅で外耳道を洗浄するのはやめましょう
まとめ
猫ちゃんが外耳炎になる理由として、最も多いものは耳ダニによる寄生虫性外耳炎です。寄生虫性でなかった場合には、何らか麻酔をかけたり、CTを撮影したり、組織検査を実施するなどしてしっかりと診断を行う必要があります。
著者プロフィール
白井顕治(しらい けんじ)院長
獣医師、医学博士、日本動物病院協会(JAHA)内科認定医・総合臨床認定医
千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。
当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。