こんにちわ、獣医師の白井顕治です。
この記事では、わんちゃんの外耳炎について記事にさせて頂きます。
耳を外側から順に構造で分類すると、
耳介⇒外耳⇒鼓膜⇒中耳⇒内耳
の順に深くなっていき、中耳や内耳は脳にかなり近い部位です。
外耳炎というのは、この中の外耳に炎症が起こっている状態で、その症状としては、
耳が臭う
頭を振っている
耳を床にこすっている
耳を掻いている
耳から血膿が出ている
等、そのこの痒がり方と重症度によって症状が異なります。
外から見たり、ガーゼで拭いたりすることによっても、「外耳炎かな?」と疑うことはそう難しくありません。
「外耳炎」という言葉は、そこまでしっかりとした診断名ではなく、問題はなぜ外耳炎になってしまったかという点です。
外耳炎の原因には主に
刺激性、アレルギー性、感染性、異物性、腫瘍性などがあげられます。
刺激性の例としては、頻回に耳掃除を行ったり、適切ではない耳洗浄液を用いたり、必要がないのに外耳道に生えている毛を抜いたりすることによりおこります。
アレルギ―性としては食物アレルギーやアトピーの全身皮膚症状の一環として外耳炎が出ることがあります。
中程度のアレルギー性外耳炎
感染性としては主に細菌やマラセチアなどの真菌、寄生虫が原因となります。これらは耳垢を検査したり、培養したりすることによって診断することができます。
異物性の場合には草の種や枝、過度な耳垢、自らの毛が原因となって起こすような場合に診断されます。
腫瘍性の場合には、良性であっても悪性であっても、耳道内に腫瘤が形成された場合には腫瘤より奥の部分の外耳道が通気性が悪く、感染を起こしてしまうことによって外耳炎を発症します。また、程度によっては腫瘍に対する炎症反応が直接外耳炎の原因となってしまうこともあります。
重度の腫瘍性外耳炎
以上のように、一口に外耳炎といっても、その原因によって検査方法や治療方法が異なってきます。
治療を続けていても治らなかったり、繰り返してしまう場合にはお気軽にご相談ください。