こんにちは、獣医師の白井顕治です。
この記事では、フィラリア症についての情報を記載していきます。
フィラリア症というのは、犬と猫に感染する寄生虫のことで、蚊に刺されることによってフィラリアに感染します。
その後、感染した虫が蚊に刺された部位から体を巡り成虫になると心臓に寄生し、その虫体により心不全を起こすフィラリア症を発症します。
蚊に刺される=フィラリアが感染する
というわけではありません。
感染が成立するためには蚊の存在と、平均気温が重要となります。
過去の平均気温の推移より、千葉県では5月末~11月末までの7か月の予防期間が推奨されます。
(気温と関係していますので、オーストラリアなどでは1年中予防が必要と聞いています。国内でも、沖縄は長く、北海道は短い予防期間になっています。 )
蚊に刺されないようにすることは現実的に難しいため、蚊に刺されることを前提として、感染してしまったフィラリアの子虫を定期的に駆虫し、フィラリア症に発展することを避けるために、月に一回の予防を行っていきます。
当院では昨年までの予防がしっかり行えているかの確認をしたのちに、体重に合わせて錠剤、おやつタイプ、1年間効果のある注射の3つの中からご家族の希望に合わせて予防法を選択しています。
フィラリア症はフィラリアの感染が成立し、心臓内にフィラリアの親虫が寄生することにより起こり、虫体の存在により循環障害や血液凝固障害、腎不全など種々の異常を引き起こし、寄生虫体数と経過によっては死に至る寄生虫疾患です。
また、ネコのフィラリア症についてですが、ネコは犬と比較して感染したフィラリアが成虫まで成長する確率は低いものの、心臓の大きさが小さく、少数寄生であっても重度の症状を呈するため、予防することが勧められています。
当院では猫に対してもフィラリア予防を実施することを推奨しています。
ワンちゃんと比較して猫に対するフィラリア予防に関する情報が少ないと思いますので、診察時にご希望の方に猫のフィラリア症に関する情報をお話しさせていただいておりますので、興味がある方はお気軽に聞いてくださいね!