目次
📌 犬の僧帽弁閉鎖不全症とは?
僧帽弁閉鎖不全症は、
特に中高齢の小型犬に多く見られる心臓病です。
心臓の弁がしっかり閉じなくなり、
血液が逆流することで負担がかかり、
進行すると咳や呼吸困難、肺水腫などの原因になります。
📌 診断された後に知っておきたいこと
この病気は、残念ながら完全に治るものではありません。
ただし、早期から定期検査とお薬で
心臓への負担を減らすことで、
症状を抑えて元気に長く暮らせる子が多いです。
一番大切なのは「今の心臓の状態を知ること」。
定期的にエコー検査をして進行度を把握し、
必要に応じて治療を調整していきます。
📌 定期心エコーの頻度と通院の目安
僧帽弁閉鎖不全症は進行度によって、
通院の頻度が変わります。
✅ 初期(無症状〜軽度)
半年~1年に一度の心エコーが目安です。
✅ 中等度以上
咳や疲れやすさが出てきた場合は、
3~6ヶ月ごと、または状態によって1ヶ月ごとの経過観察が必要です。
✅ 症状が進んだ場合
肺水腫のリスクが高まるので、
息苦しさ・咳が増えたときはすぐにご連絡ください。
📌 日常生活で気をつけたいポイント
お薬や検査だけでなく、
毎日の生活での工夫もとても大切です。
-
激しい運動は避ける
長時間の散歩や階段の上り下りを減らす。、興奮することを避ける。 -
体重管理
肥満は心臓の負担になります。食事量を調整しましょう。体重増加を予防するのが主で、過度なダイエットは行う必要はありません。 -
咳の変化に注意
咳が増えた、息が荒い、横になると苦しそう…
こんなときはすぐにご相談ください。
📌当院で実際にあった症例
当院では、僧帽弁閉鎖不全症と診断されてから
定期的に心エコーで状態を確認しながら、
薬の種類や量を調整することで肺水腫を防ぎ、
元気に暮らしているワンちゃんが多くいます。
📌 まとめ|不安なときは遠慮なくご相談ください
僧帽弁閉鎖不全症は、
しっかり管理することで穏やかに過ごせる心臓病です。
「検査はこのままでいいの?」「最近咳が増えた気がする」
そんなときは、どうぞ遠慮なくご相談ください。
当院では心臓病の定期検査を通じて、
愛犬と飼い主さんが安心して過ごせるお手伝いをしています。
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著者プロフィール
白井顕治(しらい けんじ)院長
獣医師、医学博士
日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医
愛犬が心臓病と診断されたとき、どう付き合えばいいか迷ったら、ぜひ一度ご相談ください。
当院は日本動物病院協会(JAHA)から認定を受けている動物病院です。
当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。