佐倉しらい動物病院ブログ

犬の慢性気管支炎・気管支軟化症──“咳と上手に付き合う”という選択

🐾 咳がなかなか治らないワンちゃん、その咳は「風邪」ではないかもしれません

「咳が出ていても、ごはんも食べるし元気だから様子を見ています」
「風邪だと思って薬を飲ませたけれど、よくならなくて…」

そうしたお悩みで当院を受診される方は、実は少なくありません。
でも、咳が数日で治まらず、何度も繰り返すようであれば、
それは“慢性的な咳”=呼吸器の病気の可能性があります。


🫁 慢性気管支炎・気管支軟化症とは?

▶ 慢性気管支炎

気管支に慢性的な炎症が起きることで、咳が持続的に出る病気です。
呼吸のたびに刺激され、**「治ったと思ったらまたぶり返す」**を繰り返します。

▶ 気管支軟化症

気管や気管支が加齢などにより弱くなり、呼吸に合わせてつぶれたり、たわんだりすることで、空気の流れがスムーズにいかなくなり、咳の原因になります。

これらは完治が難しい慢性疾患ですが、きちんとした診断と継続的な治療によって、生活の質(QOL)を大きく改善できる病気です。


🔍 咳の原因、心臓ではないの?

犬の咳というと「心臓病では?」と心配される方も多いです。
たしかに、小型犬では心疾患(特に僧帽弁閉鎖不全症)によって咳が出ることがありますが、

  • 心臓の状態に対して咳が強すぎる

  • 心臓の薬を使っても変化がない

という場合、実は気管支の異常が原因だったというケースも多くあります。

当院では、胸部レントゲン検査や透視検査を用いて、咳の原因を丁寧に評価しています。


💊 治療は「完治」ではなく「コントロール」が基本です

咳を完全にゼロにすることは難しくても、

  • 炎症を抑える内服薬

  • ネブライザーなどの吸入療法

  • 咳を誘発しにくい生活環境の調整

などを組み合わせて治療することで、苦しさを減らし、発作の頻度を減らすことができます。


🏥 当院の呼吸器診療の特徴

  • 大学病院の呼吸器科で研修を継続している獣医師が担当

  • 診断から治療計画まで、最新の知見と実例に基づいた診療

  • 他院で「治らない」「よくならない」と言われた症例にも対応しています


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☘ まとめ:咳とともに暮らす日々も、穏やかに過ごすために

「咳が出る=病気が悪化している」というわけではありません。
慢性咳嗽は、体調と生活のバランスを整えながら“うまく付き合う”ことができる病気です。

ずっと治らなくて不安だった方も、
「もう薬は効かないのかな」と悩んでいた方も、
一度、当院にご相談ください。

わんちゃんも、ご家族も、安心して過ごせる日々を目指して
私たちがしっかりとサポートします。

https://sakura-shirai-ah.com/contact/

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呼吸・循環器科

著者プロフィール

白井顕治(しらい けんじ)院長

獣医師、医学博士

日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医

止まらない咳、上手にコントロールできる方法を探していきましょう

当院は日本動物病院協会(JAHA)から認定を受けている動物病院です。

当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。

【キャットフレンドリークリニックに関する情報はこちら】

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