こんにちは獣医師の清水 麗子です。
今日は糖尿病における食事療法についてお話ししたいと思います。
糖尿病の仔の治療では血糖値を正常にコントロールすることが大切です。
定期的にインスリンを投与するインスリン療法を行うことが多いですが、適切な食事療法もとても大事な治療法の一つです。
食事療法によって血糖値を安定させることができれば投与するインスリンの量を減らすことができる場合もあります。
糖尿病用の療法食が普通のごはんと比べて何が違うかというと、
○高食物繊維
○高タンパク質
○低炭水化物
になっているということです。
それぞれの目的は、
○高食物繊維
食事中食物繊維を増やすことにより糖の吸収を穏やかにし、食後に血糖値が急激に上昇するのを防ぎます。
○高タンパク質
脂肪の代わりにタンパク質を増やすことで、カロリーを抑えることができ、健康的な筋肉量を維持するためにもタンパク質量が多くされています。
○低炭水化物
炭水化物は体の中で分解されると最終的に糖になるため、糖を増やさないようにするために炭水化物の量が調節されています。
様々な会社から糖尿病用の療法食が販売されていますが基本的には上記のことが気を付けられた食事になっています。
食事療法を行いたいけれど、ワンちゃん猫ちゃんが糖尿病用の療法食を好んで食べてくれないこともあると思います。
そういう場合は違う会社の療法食に変えてみたり、療法食ではないけれど比較的上記のような成分に近いものにしてみるのも方法の1つだと思います。
療法食を好んで食べてくれれば一番ですが、糖尿病用の療法食を好まず食べてくれない仔に無理に糖尿病用の療法食をあげご飯自体を食べてくれなくなってしまうと、特に猫ちゃんでは肝臓が悪くなってしまい重篤な状態になってしまう危険もあるため、その仔にあったご飯で無理なく続けてあげることが大切です。