
🩺 診療の範囲
当院では、セキセイインコ・オカメインコ・文鳥など中〜小型の鳥類を対象に、一般診療の範囲内での検査・治療を行っています。
猛禽類は診療対象外です。
体の小さな鳥にもできる限り負担をかけないよう、安全で穏やかな診療を心がけています。
ガス麻酔を使用した短時間の麻酔処置(卵詰まりの解除、足に絡まった糸の除去、副鼻腔の痂皮摘出、腹水抜去など)には対応していますが、体腔内の外科手術は行っておりません。
🐦 日常のケア
お迎え検診や定期健診にも対応しており、健康状態の確認や感染症の早期発見を目的とした検査を行っています。
また、爪切り・嘴カット・飼育環境の相談など、日常ケアに関するご相談も承っています。
そのう検査や糞便検査では、顕微鏡画像を飼い主さまと一緒に見ながらご説明しますので、愛鳥の状態をより理解していただけます。
🔬 できる検査
当院では以下のような検査を実施しています:
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レントゲン検査(呼吸器・卵詰まり・肝臓・骨格などの評価)
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超音波検査(腹水・肝臓・卵巣・腫瘤の確認)
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そのう検査・糞便検査(消化器疾患や感染症の確認)
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遺伝子検査(クラミジア検査、性別判定など)
これらはすべて、鳥類の診療で重要となる非侵襲的かつ安全性の高い検査です。
🔎 検査からわかること
検査によって、以下のような異常や疾患の早期発見が可能です。
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呼吸器疾患(鼻炎、副鼻腔炎、アスペルギルス症など)
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消化器疾患(メガバクテリア症、トリコモナス症、カンジダ症など)
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卵詰まり、腹水、肝腫大
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栄養性疾患(肝疾患、カルシウム代謝異常など)
小さな変化でも「羽づくろいが増えた」「いつもより静か」といったサインから病気が見つかることもあります。
💊 治療できる主な疾患
当院では、一般診療の範囲内で次のような治療に対応しています。
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呼吸器疾患へのネブライザー治療
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感染症(メガバクテリア、トリコモナス、カンジダ、アスペルギルスなど)への内服・治療
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過発情に対するホルモン注射(発情抑制)、卵詰まりの解除
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栄養管理、飲水投与、支持療法、爪切り、くちばしのカット、飼育相談、遺伝子検査による雌雄鑑別
鳥類の体調変化は非常に繊細です。少しでも異変を感じた際には、早めの受診をおすすめします。
著者プロフィール

白井顕治(しらい けんじ)院長
獣医師、医学博士
日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医
千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。