異物の摘出方法は内視鏡下摘出や外科的摘出、催吐によって吐かせる方法などがあるが、異物の種類はもちろんのこと、閉塞や症状の有無、異物のある場所、飲み込んでからの時間などによって摘出方法は異なる。消化器外科は、不十分な消化管縫合を行った場合に術後5~7日に合併症として縫合した消化管が開いてしまう癒合不全が起きてしまうため、経験と技術を要する治療科である。
実績詳細
ネコの腸内異物の摘出術
検査結果
身体検査上、症例は元気活発であったが、ごはんを食べると食後に嘔吐してしまうということだった。
また、マットの一部を食べてしまった可能性が高いということだった。
(症例はこれまでも便にマットや布が混ざる事があった。)
レントゲン検査と腹部超音波検査の結果、十二指腸から空腸移行部に消化管の拡張を伴う異物の閉塞が認められた。
診断:小腸内異物閉塞(完全閉塞)
治療方法
異物の摘出には内視鏡による摘出と外科的な摘出、催吐させて吐かせる方法などがあるが、小腸内異物症例は外科手術の適応となる。
異物を確認
中央の四角い部分が閉塞した異物
右側の拡張した腸管が口側、左側の普通の腸管が肛門側である。
腸の切開と異物の摘出
摘出された異物
腸管の縫合
内容は開通し、漏れは認められなかった。
胃内やそのほかの消化管に異常は認められなかったため、閉腹し修了とした。
治療・術後経過
症例は手術翌日から自力でご飯を食べ始め、術後5日後には排便が認められた。
術後5日経過しても経過は良好なため、消化管は通常通り治癒したと考えられた。
経過良好
担当医:白井顕治
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