腹壁ヘルニアは打撲や落下、交通事故などの強い外的な力や、腫瘍や著しい感染症によって生じる事があるヘルニアである。腹腔内のどの臓器が脱出する科、また、どのような理由でヘルニアになってしまったのかで症状が大きく異なるが、原則的には外科適応となることが多い疾患である。
腹壁の整復は技術を要するため、治療は経験のある獣医師が行うべきである。
実績詳細
ネコの腹壁ヘルニア(恥骨前腱の裂離):交通事故
種類 | ネコ |
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診療科目 | 軟部外科・整形外科 |
症状 | ネコが外出から帰ってきたら、元気がない。動こうとしない。 |
症状の概要
検査結果
外貌上、下腹部に赤色の膨隆を認めた。
意識ははっきりしていたが、後肢がうまく動かないようであった。
術前の様子
下腹部に大きな皮下出血を認める。
レントゲン検査において腹壁ヘルニアであることが確認された。
骨盤や後肢の骨折は認められなかった。
治療方法
腹壁ヘルニア発生部位より、恥骨前腱の裂離によるヘルニアが疑われた。この部位には膀胱や直腸、後肢に向かう大血管などが存在するため、それらの状態を精査るる目的も含めて外科手術による整復を行った。
ヘルニア部を切開する
腹筋の存在を臍周辺で確認した。
離断した恥骨前腱を確認している。
腹壁の修復を行っている
腹筋・腹壁の再建が終わったところ。
腹腔内臓器の破裂や損傷は認められなかったが、大腿部の筋肉の損傷がひどかったため、壊死などが起こらないように筋肉の再建も行い、手術終了とした。
治療・術後経過
術後5日程から歩行することが出来るようになり、10日後に退院となった。
現在、普段通りに生活しており、元気食欲共に良好である。
担当医:白井 顕治
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