脂肪腫は体表や体腔内などいたるところに形成される可能性がある良性腫瘍である。基本的には経過観察を行い大きさや局所浸潤性を確認していくが、形成された場所や大きさによって手術を実施するかどうかを決めていく。
実績詳細
前腕に形成された鶏卵大の脂肪腫
検査結果
身体検査では右前肢に複数中心を持ったいくつかの腫瘤が認められた。
痛みや熱感は無いようだったが、腫瘤は皮下組織に固着していた。
腫瘤部の皮膚に異常は認められなかった。
高齢であることと、腫瘤の形状より、悪性腫瘍性病変である可能性を疑ってレントゲン検査を行ったが、骨破壊像は確認されなかった。
次いで診断のために針吸引生検(FNA)を実施したところ、脂肪腫という結果が得られた。
ー以下 FNA所見ーーーーー
異型性に乏しい脂肪細胞が多数得られていることから、脂肪腫が疑われますが、主病巣周囲の脂肪組織が採取されている可能性も完全には否定できません。脂肪腫は良性の腫瘍性病変ですが、筋肉内へ浸潤することがあり、また脂肪腫も発生部位や大きさによっては歩行などに支障を来すことがあります。
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以上より、脂肪腫と診断した。
治療方法
現在本人は腫瘤部を気にしておらず跛行も呈していないため、ご家族と話し合った結果、経過観察を行うこととした。
治療・術後経過
現在腫瘤の大きさや臨床症状に変化は認められない。
担当医:白井 顕治
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