アトピー性皮膚炎は慢性的な皮膚バリアの異常を起こすため、本症例のようなアカラス症や細菌感染・真菌感染などの続発症を起こしやすい。アトピー性皮膚炎の際には、このような続発症が起きていないかを定期的に検査することが重要である。特に、普段と同じだけ薬を飲んでるにもかかわらず、急にかゆみが強くなった場合などは何らか続発症が発症した可能性があります。
また、逆説的に、慢性的な細菌感染や真菌感染の基礎にアトピー性皮膚炎の存在があることがあります。よく皮膚が悪くなる子はアレルギー性皮膚疾患に罹患している可能性がありますので、疑いがあったら動物病院を受診しましょう。
実績詳細
アトピー性皮膚炎に罹患しているシーズーのアカラス症
種類 | シーズー |
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診療科目 | 皮膚科 |
症状 | 全身を痒がっている。毛が抜けていて、フケも多い。 |
症状の概要
検査結果
初診時、症例は診察台の上でも体を掻くほどの強い搔痒感を示しており、多くの痂皮が認められた。
以前よりアトピー性皮膚炎を患っており、直近数ヶ月は病院での治療を行っていなかったため、外貌上はアトピー性皮膚炎であると判断した。
併発疾患の除外のために抜毛検査を実施したところ、毛根周囲にアカラス(ニキビダニ・犬毛包虫)が確認されたため、
アトピー性皮膚炎を基礎疾患と知ったアカラス症と診断した。
治療方法
かゆみのコントロールのためにステロイド剤、二次感染治療に抗生剤、アカラスの治療に経口イベルメクチンを処方した。
治療・術後経過
(治療開始3週間後)
治療開始後1週間で、かゆみは顕著に改善し、治療開始後3週間後ではフケもなくなり、被毛が生えてきた。
今後はかゆみが減少してきたらステロイド剤を非ステロイド性のかゆみ止めに移行していく。
また、シャンプーなどのスキンケアを同時に行っていく。
アカラスについては、都合数ヶ月内服を継続し、定期検査においてアカラスが検出されなくなったら休薬する予定である。
担当医:白井 顕治
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