胃拡張・捻転症候群は、ほぼ前触れなく起き、強い臨床症状を呈するため、状態を見てご家族が異常に気付かないということはまずありません。
主な症状は腹部の鼓張、元気消失、浅速呼吸、活動性の低下などですが、捻転からの時間や捻転の程度、同時に捻転を起こしている臓器などによって症状が変化します。
緊急疾患であり、死亡率も高い病状であることから、疑われた場合には速やかに動物病院を受診しましょう。
実績詳細
シェパードの胃拡張・捻転症候群の外科手術
種類 | シェパード |
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年齢 | 3 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 |
症状 | 突然元気が無くなった。お腹がパンパンになってる |
症状の概要
検査結果
身体検査所見の結果、症例は沈鬱状態で呼吸も浅く、腹部が顕著に拡張していた。
犬種および経過より緊急性の高い胃拡張・捻転症候群の疑いがあるため、レントゲン検査を実施したところ、捻転して変位し、拡張した胃が認められたため、胃拡張・捻転症候群と診断した。
治療方法
胃捻転・拡張症候群は緊急外科疾患であるため、静脈点滴開始後にすぐに開腹手術を実施した。
鼓張した腹部
捻転により血色の腹水の貯留が認められる
捻転方向は比較的よく起きる右方向への180°捻転であった。
捻転整復後に胃内容を抜去し、再度捻転が起こらないように腹壁に胃の幽門部を固定して手術終了とした。
治療・術後経過
この手術は術後2日程度は散発的に不整脈が認められる可能性が高いため、突然死のリスクに備えモニタリングを行っていたが、良好に改善し、経過は良好であった。
現在経過観察中であるが、再発は起きていない。
経過良好
担当医:白井 顕治
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