クッシング症候群は内因性に脳の下垂体が腫瘍化してしまう下垂体性、副腎が腫瘍化してしまう副腎性、および外から投与したステロイド剤による医原性クッシングに分かれます。医原性クッシング症候群は主にステロイド剤を多量に長期にわたり内服した場合に起きますが、犬種・年齢・性別によっては少ない量で起こることも、また、短期間で起こることもあります。病歴・治療歴および内分泌検査から医原性クッシング症候群が疑われる場合には、ステロイド剤を漸減し、それまでステロイド剤を使用してきた目的(主にはかゆみのコントロールや免疫抑制)はステロイド剤以外の薬によって行っていきます。
実績詳細
ミニチュアダックスフントのクッシング症候群
検査結果
症例はアトピー性皮膚炎に罹患しており、ステロイド剤によるかゆみのコントロールを行っていた。
症例が内服していたステロイド剤の量は1mg/head Sidと、医原性クッシングを疑うようなレベルの投与量ではなかった。
また、ACTH刺激試験においても医原性クッシングを疑わせる内分泌動態は示されなかった。
しかし、病状がクッシング症候群及びステロイド皮膚症ともとれる個所もあったため、クッシング症候群として治療を実施することとした。
治療方法
ステロイド剤以外で痒みのコントロールを実施するために、シクロスポリンの投与を行った。
ステロイドは漸減していき、3週間後には完全に休薬した。
治療・術後経過
治療開始前の腹部や耳介外側の皮膚
治療開始後半年後
耳介の被毛は生えそろい、体中の主毛が以前の通りとなった。
今後はシクロスポリンを中心にかゆみのコントロールを行うこととした。
経過良好
担当医:白井 顕治
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