平滑筋種は平滑筋に由来する良性腫瘍である。多くは、形成されたことによる物理的な圧迫によって症状を呈して発見されるが、体表に形成された場合には、より早期に発見される場合もある。筋肉由来の腫瘍であるため、針吸引生検で診断が行えないこともあるため、確定診断には病理検査が必要となることが多い。
実績詳細
柴犬の膣に形成された平滑筋種
検査結果
レントゲン及び超音波検査を実施したところ、膀胱の尾側に3センチほどの腫瘤を確認。
針吸引生検を実施したところ、間葉系由来の腫瘍が疑われた。高齢であるが、排尿困難という臨床症状を呈しているため、手術を実施した。
治療方法
膀胱の尾背側に腫瘤を認めた。術前の推測通りに膣部に形成されていたため、卵巣子宮と同時に膣の切除を行った。
尿道を分離し、マージンを確保して腫瘤を切除した。
腫瘤は肉眼所見として限界明瞭であった。
治療・術後経過
手術直後より、排尿異常は改善された。
術部も良好に癒合した。
ーーー以下病理所見ーーー
検索した膣の腫瘤は、平滑筋由来の良性腫瘍です。平滑筋腫は、未避妊の雌の膣、子宮、外陰部などに好発する傾向があります。
腫瘍の境界は明瞭で、周囲組織への明らかな浸潤性は認められません。病変の摘出状態は良好で、今回の摘出により予後は良好と考えられます。
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病理検査結果より、予後は良好と考えられる。
現在経過観察中
担当医:執刀医:白井 顕治
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