皮膚組織球腫は、腫瘍の中でも自然に退縮することがある珍しい腫瘍である。
典型的には、若齢で体表に半円形、ドーム型で、被毛が抜けイチゴのような外観を呈していることが多い。
多くは無治療で数週間から数か月で自然退縮することが多いため、初期に的確に診断することが重要である。
実績詳細
トイプードルの皮膚組織球腫
種類 | トイプードル |
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年齢 | 7歳 |
診療科目 | 腫瘍科 |
症状 | 耳にしこりがある |
症状の概要
検査結果
左耳の耳介内側に直径1cm程度の腫瘤を認めたため、細胞診を実施した。
ーー以下細胞診所見ーーーー
得られている細胞の形態からは皮膚組織球腫が疑われますが、細胞形態からは形質細胞腫との鑑別が困難な場合があります。いずれも良性の円形細胞腫瘍ですが、皮膚組織球腫は数週間〜数ヶ月で自然退縮することが多いですので、縮小せずに増大する場合には組織学的評価もご検討下さい。
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治療方法
皮膚組織球腫が疑われたため、無治療にて経過観察とした。
(アレルギー性外耳炎を併発していたため、その治療は実施した。)
治療・術後経過
経過観察していくと徐々に腫瘤が退縮傾向を呈した。
経過観察をしていたところ、1か月で自然退縮したため、治療終了とした。
担当医:白井 顕治
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