釣り針は「返し」が存在する場合、引っ掛かれば移動しないというメリットと、そこから除去する際に刺さった部分の組織を損傷させるというデメリットがある。刺さった場所や針の大きさによってはかなりの出血になることもあるため、内視鏡で摘出する際には止血の準備や、必要に応じて緊急開腹を行う準備をしてから行う必要がある。
実績詳細
【動画】トイプードルの釣り針の誤嚥の内視鏡下での摘出
検査結果
釣りの最中に、餌をつけた釣り針を飲み込んでしまったという主訴で来院
レントゲンにおいて、食道出口～胃の入り口の部分に固定されている釣り針を確認
飲み込んでしまったものと同じ釣り針
治療方法
糸付きの針であることから、開腹手術による摘出か内視鏡による摘出かを悩んだが、いとも４５センチと短めであることと、おそらくは胃の入り口に針が引っ掛かっているため、ひも状異物が問題となる小腸に流出する糸はそこまで長くないのではという考えから、内視鏡による摘出を試みることとした。
事前の診断と違わず、噴門部に針を確認
糸は小腸に達していなかったため、動画のように内視鏡により針と糸を摘出した。
摘出された針と糸
治療・術後経過
遺産抑制剤及び粘膜保護剤を数日内服し、治療終了とした。
経過良好
担当医・執刀医：白井 顕治
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