猫の白内障の大部分は遺伝性・若年性に発症する。また、猫の白内障に対しては、犬や人の白内障のように水晶体内レンズ挿入手術を実施すると、合併症として緑内障に進行してしまうケースが報告されているため、推奨されていない。白内障単独であれば、視覚障害の程度は重度ではないとされている。そのため、白内障に続発して発生するぶどう膜炎をコントロールすることが治療の目的となる。
本症例のように浮遊物を認めたり、瞳孔が左右で形が違う際には、ぶどう膜炎の存在を疑う。
実績詳細
アメリカンショートヘアーの遺伝性白内障
種類 | アメリカンショートヘアー |
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年齢 | 8か月 |
診療科目 | 眼科 |
症状 | 眼の中に黒いものがある |
症状の概要
検査結果
症例は若齢のアメリカンショートヘアーであった。
観察すると、前眼房内に主訴である黒色の浮遊物が確認された。
眼科検査を実施したところ、涙液量や眼圧に異常は認められなかった。
左右ともに白内障に罹患しており、右眼はぶどう膜炎を併発していた。
眼エコー
主訴である黒色の浮遊物はぶどう膜炎に伴う浸出物であった。
治療方法
ぶどう膜炎をコントロールする目的でステロイド剤の内服と点眼を実施した。
治療・術後経過
治療前
治療開始7日後
浮遊物は残存しているが、前眼房フレアは消失していた。
瞳孔不整が出ているが、眼圧に異常は認められないため、今後はぶどう膜炎が出た際にステロイドを中心に炎症を治めていく。
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