高齢犬において、良性腫瘍が疑われる場合には、治療を行わずに放置するという事も選択肢に入る。ただし、本症例のように出血や化膿が著しかったり、本人が気にしてしまっている場合には治療が必要と判断される。
ただし、全身麻酔に対するリスクを考え、条件が合う場合には本症例のように無麻酔や局所麻酔で摘出できる腫瘍も存在する。
実績詳細
ゴールデンレトリバーの良性腫瘍に対する絞扼処置
種類 | ゴールデンレトリバー |
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年齢 | 12才 |
診療科目 | 腫瘍科 |
症状 | 首にあるしこりから出血している。 |
症状の概要
検査結果
症例は高齢のゴールデンレトリバーである。
毛刈りをして確認すと、頸部体表に直径1.5センチほどの有茎状の腫瘤が確認された。
腫瘍の診断を行うため、細胞診を実施した。
ーーー以下細胞診所見ーーー
異型性に乏しい小型上皮細胞が多数得られており、皮脂腺へ分化した細胞も少数認められることから、皮脂腺上皮腫が疑われます。皮脂腺上皮腫は基本的には良性ですが、稀にリンパ節に転移することがあります。
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治療方法
良性腫瘍疑いであることと、形状が有茎状であること、そして高齢の大型犬であることから、無麻酔で摘出できる手法を提案した。
局所麻酔下で炭酸ガスレーザーで切除するか、絞扼処置を行うかを提示したところ、絞扼処置が選択された。
伸縮性のある糸で腫瘤基部を絞扼した
治療・術後経過
処置から一週間後、
絞扼基部が正常に壊死したため、腫瘤を摘出した。
洗浄を継続し、治療終了とした。
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