アレルギー性皮膚炎のあるワンちゃんは、皮膚のバリア機能が弱く容易に細菌感染を起こしやすくなっています。特に膿皮症やマラセチア皮膚炎などを発症すると元々のアレルギーの痒みが悪化してしまうので注意が必要です。今回のケースではご家族は内服に加えてシャンプーなどのスキンケアを頑張ってされていましたが、他の皮膚トラブルが起きてしまうと、飲み薬を足したり変更したりといった他の治療が必要になってきます。「いつもの痒がりが急に酷くなった・・・」「そういえば皮膚に赤いブツブツができている」などということがありましたら、「どうせいつものアレルギーなんでしょ」と思わずに早めの受診をオススメします。
実績詳細
コーギーのアトピー性皮膚炎
種類 | コーギー |
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年齢 | 10歳 |
診療科目 | 皮膚科 |
症状 | 皮膚がべたべたする、かゆがっている |
症状の概要
検査結果
症例は脇の下・股の皮膚を中心に耳・目の周囲に赤みを認めた。
1年前よりアレルギー性皮膚炎として治療を続けており経過は概ね良好だったが、今回は痒みの程度が強くベタつきや腹部全体に発疹や痂皮(カサブタ)のような膿皮症の所見も併せて認められた。
そのため、これがアレルギー性皮膚炎の症状を悪化させている可能性があると考え、その治療を加えて行うこととした。
治療方法
以前より行なっていた、ステロイド剤の内服・シャンプー療法に加えて、抗生剤とステロイド剤以外の痒み止めの内服を処方した。
治療・術後経過
膿皮症については3週間の抗生剤の内服により全体的に良化した。内服を終えた後、数カ所の発赤が認められたが非常に局所的であったため内服ではなく、外用薬の塗布でコントロールすることとした。
ステロイド剤以外の痒み止めの併用と膿皮症の治療により痒みや皮膚の状態が改善したため、ご家族と相談の結果、以前と同じステロイド剤単独の内服を希望されたため、薬の種類を漸減した。その後も痒みは落ち着いており、経過は良好である。
担当医:吉川 未紗
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