猫の体表皮膚に形成される肥満細胞腫の多くは頭頚部周辺に形成され、一般的に悪性度は低い。放置していても長期間病状が変わらない個体から、徐々に拡大していく個体もいたり、無症状である個体もいれば、強いかゆみを感じる個体もいる。
非常に腫瘤が多くなった場合には、ヒスタミンによって胃粘膜障害を起こすこともあるが、体表の肥満細胞腫においてはかゆみのほうが問題となることが多い。
実績詳細
雑種猫の頭部に形成された肥満細胞腫
種類 | 雑種猫 |
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年齢 | 8歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 腫瘍科 |
症状 | 耳のわきのところにできものがある |
症状の概要
検査結果
観察すると、右耳の内側、側頭部に直径5ミリほどの腫瘤が形成されていたため、細胞診を行った。
ーーー以下細胞診結果ーー
多数の肥満細胞が集塊状に得られていることから、肥満細胞腫と考えられます。体表に発生する猫の肥満細胞腫は基本的に悪性度が低く、得られている細胞に強い異型性は認められません。
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治療方法
細胞診所見をもとに、麻酔下で局所切除を行うこととした。
切除後
治療・術後経過
ーー以下病理検査所見ーーー
摘出された右耳内側の病変は、肥満細胞腫と診断されます。最小限のマージンでの切除となっていますが、腫瘍の境界は明瞭で、マージン部や脈管内に腫瘍細胞は認められません。今回の切除により予後は良好と考えられます。
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治癒後に抜糸を行い、治療終了、以降は経過観察とした。
担当医:清水 健
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