被嚢性腹膜硬化症は避妊手術時に偶発的に発見されることのある疾患ではあるが、報告数が多くないため、原因や正確な予後についてのまとまったデータは報告されていない。無症状で生涯過ごすような症例から、癒着によって消化器症状を出す症例まで、さまざまな予後をたどる可能性がある疾患のようである。
実績詳細
被嚢性腹膜硬化症を疑ったミニチュアダックスフント
検査結果
症例は元気活発であり、1歳以下の若齢の雌である。避妊手術を希望されたため、通常通り実施することとなった。
治療方法
避妊手術を行うために腹部正中切開によって開腹したところ、腹腔内の臓器がびまん性に癒着を起こしていた。
癒着を剥離して卵巣及び子宮を摘出した。
同時に血液検査を実施していたが、低アルブミン血症やCRPの増加、単球を含めた白血球数の異常は認められなかった。
治療・術後経過
摘出した卵巣及び子宮を病理組織検査に提出し、臓側腹膜を観察していただいたところ線維性の肥厚が認められたため、被嚢性腹膜硬化症が疑われた。
本症例は術後も元気・活動性・食欲や便の状態に一切の異常を認めなかったため、治療はせずに経過観察とした。
現在経過観察中。
担当医:白井 顕治
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