口鼻瘻管は大きな上顎の歯が歯周病によって脱落したり、抜歯したりした後にその穴がふさがらずに、口の中と鼻の中をつないでしまっている管である。発生頻度が高いのは今回のような上顎犬歯が抜けた穴であるが、上顎第四前臼歯の抜歯後にも発生することがある。慢性的に口腔内の液体や食べ物が鼻腔内に入り込むことによって慢性の鼻炎症状を呈する。形成された瘻管が自然に閉鎖することはないため、手術による閉鎖が必要となる。
実績詳細
トイプードルの口腔内に形成された口鼻瘻管の閉鎖
検査結果
症例は重度の歯周病を患っており、歯周病の進行に伴って左右の上顎の犬歯が自然に脱落した。
脱落後にその穴がふさがることなく存在し続け、口腔内と鼻腔内をつなぐ口鼻瘻管として存在してしまっていた。
症例は飲水後や食後にくしゃみの症状を出していた。治療のため、麻酔下で閉鎖することとした。
治療方法
左右ともに口腔粘膜フラップを形成して口鼻瘻管を閉鎖した。
治療・術後経過
術後2週間は柔らかいご飯を給餌し、その後は自由なものを食べてよいこととした。
フラップは正常に生着し、口鼻瘻管は閉鎖し、鼻炎の症状も治まった。
治療終了
担当医・執刀医:白井 顕治
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