胆嚢破裂を起こす原因としては、胆嚢粘液嚢腫が多いが、慢性胆嚢炎においても経過によってはこの症例のように不完全な破裂を生じることがある。内科管理で症状がコントロールできない場合には、手術が必要になるケースがあることを知っておく必要がある。
実績詳細
ミニチュアダックスフントの慢性胆嚢炎
検査結果
症例は高齢のダックスフントであった。
普段から食欲が非常にある性格の仔であったが、急に食事をとらなくなったため検査を実施したところ、重度の胆嚢炎と黄疸、腹水貯留が認められた。
胆嚢が破裂しているかどうかはエコーでは判断することができなかった。
内科療法により経過観察を行っても臨床症状が改善しないため、ご家族と相談したうえで胆嚢摘出を行うこととした。
治療方法
術前。皮膚が横断により黄みがかっている。
胆嚢に腹膜が癒着している
胆嚢を切開し、内容を吸い出して胆嚢摘出を行った。
ー-以下病理所見ー-
摘出された胆囊では、慢性の胆嚢炎が認められます。慢性的な粘膜に対する刺激や感染などにより引き起こされた変化と考えられます。胆嚢壁の壊死は認められませんが、粘膜の潰瘍や肉芽組織の増生が起こっており、不完全な破裂が引き起こされていたと考えられます。
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治療・術後経過
症例は術後翌日より食欲が改善し、手術3日目に実施した血液検査で炎症の関連や黄疸の関連の数値に下降が認められたため、その後に点滴を外して数日後に退院とした。
経過良好
担当医・執刀医:白井 顕治
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