実績詳細

ミニチュアダックスフントの尿管結石の摘出

種類 ミニチュアダックスフント
診療科目 泌尿器科 
症状 元気がなく、食欲がない

症状の概要

腎臓で形成された尿の通り道を「尿路」とよび、その道のどこかで結石ができてしまうことを「尿路結石」と呼びます。場所によって、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石となります。完全に分けて考えることはできず、尿管結石が流れて、膀胱結石になったり、膀胱結石が詰まって尿道結石になったりします。結石ができる場所や種類、大きさや症状の有無やその時の症例の腎機能によって対応が異なりますので、注意深く治療方法を決める必要があります。

検査結果

症例は炎症性ポリープの治療としてステロイド剤及び免疫抑制剤を長期間服用しているミニチュアダックスフントであった。

 

発熱及び食欲低下が認められたため、スクリーニング検査を実施すると、左の腎臓から伸びる左尿管近位に結石が3つ詰まっており、左腎が水腎症になっていた。

 

(泌尿器の図説と、場所による結石の名称の違い)

 

 

 

また、エコー所見より、水腎内に濁りを認めたため、腎盂腎炎~膿腎になっていると考え抗生剤及び点滴による補助療法を実施した。

 

実施後は症状が軽快したため、ご家族の希望から手術は実施せずに退院となった。

 

しかし、退院数日後に再び症状が再発したため、再度病状を安定化させて方手術することとなった。

治療方法

いびつな形に腫大している左腎を認めた

 

 

尿管を確認し、腎臓の近位だったため、尿管切開をして結石を摘出後、縫合した。

摘出された尿管結石

 

結石成分解析を実施した結果、周さんカルシウムとリン酸カルシウムの混合結石であった。

 

 

治療・術後経過

術後は腎機能の指標となる数値も安定し、縫合した尿管が離解することなく退院した。

 

術後2週間後の検診では、尿管の蠕動運動が確認され、尿管周囲の腹腔内脂肪の炎症が治まっている様子がエコーで確認された。

 

現在再発しないか経過観察中。

 

 

担当医、執刀医:白井 顕治

 

 

 

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