メラノーマは「悪性黒色腫」であり、メラニン産生細胞が悪性腫瘍化したものである。発生部位によって挙動が異なり、口腔内に形成されたものは悪性度の高い挙動をとるものが多い。
黒いできものができることについて、悪性黒色腫が疑われるため危険であるということは一般的に広く知られていることではあるが、メラノーマであっても肉眼的に黒くないことは珍しくない。
報告では、メラノーマのうち、30%は無色素性のメラノーマであるとされている。ただし、肉眼的にみても黒くはないが、顕微鏡的にはメラニンが確認されることもある。
口腔に形成されたメラノーマは局所浸潤性が高く、リンパ節転移も起こりやすいため予後には注意が必要である。
実績詳細
雑種犬の下顎に形成されたメラノーマ
種類 | 雑種犬 |
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年齢 | 9歳 |
診療科目 | 腫瘍科 |
症状 | 口の中にできものがある |
症状の概要
検査結果
症例は口腔内にできものがあるという主訴で来院した。
口腔内の腫瘤の診断には病理組織生検が必要であるため、麻酔下にてスケーリング及び生検を実施することとなった。
治療方法
ーー以下病理検査所見ーー
歯肉部腫瘤は、豊富なメラニン色素を有する非上皮性腫瘍から成り立っており、悪性黒色腫と診断されます。悪性度の高い腫瘍であることから、引き続き、局所病変の拡大や深部骨の破壊、リンパ節の状態について経過には注意が必要です。
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口腔内メラノーマの治療についてインフォームドコンセントを実施した結果、積極的治療は揮毫されず、対症療法を行っていくこととなった。
治療・術後経過
現在経過観察中
担当医:白井 顕治
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