軟部組織肉腫は、局所浸潤性の高い、あまり転移率の高くない、ゆっくりと成長する、軟部組織が由来の腫瘍の総称であり、一般的に診断されることの多い軟部組織肉腫の種類として、血管周皮腫・繊維肉腫・神経鞘腫・粘液肉腫・脂肪肉腫・紡錘形肉腫・悪性組織球腫・滑膜肉腫・平滑筋肉腫・横紋筋肉腫などが挙げられる。
中には、軟部組織肉腫であるにもかかわらず、成長が急速であったり、転移率が高かったり、由来の細胞が異なる腫瘍も混在している。
実績詳細
マルチーズの軟部組織肉腫(血管周皮腫・血管周囲壁腫瘍)
種類 | マルチーズ |
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年齢 | 10歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 腫瘍科 |
症状 | 他院にて軟部組織肉腫と診断された。手術を希望 |
症状の概要
検査結果
症例は右臀部に腫瘤が存在し、他院にて生検を実施して軟部組織肉腫疑いという診断を受けている。
当院において手術を希望したため来院となった。
臀部腫瘤は右大腿骨の大結節にわずかに接していた。
ご家族と相談した結果、断脚は行わない範囲での手術を希望されたため、水平・垂直マージンをできるだけ確保した切除となった。
治療方法
術前の様子
切除範囲の決定
水平方向に3センチマージンとした。
切除後
治療・術後経過
皮膚弁は良好に生着した。
ーー以下病理所見ーー
摘出された臀部の腫瘤は、低悪性度の軟部組織肉腫(血管周皮腫/血管周囲壁腫瘍)と診断されます。
腫瘍の境界は明瞭で、マージン部には腫瘍細胞は認められません。大型の腫瘍が形成されていますが、摘出状態は良好で、今回の切除により予後は良好である可能性が高いと考えられます。
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摘出状態が良好であったため、術後の追加療法は実施せず、経過観察を行っていくこととした。
担当医・執刀医:白井 顕治
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