佐倉しらい動物病院ブログ

猫の皮膚病が“治らない”本当の理由──再発を防ぐために大切な考え方

🐾 「治らない皮膚病」と言われていませんか?

「うちの猫、前に薬で治ったのに、また毛が抜けてきて…」
「毎回病院に行って薬をもらうけど、良くなったと思ったらまた同じところが赤くなる」

そんなお悩みでご来院される飼い主さんが、近年とても増えています。

特に、猫の皮膚疾患は“なかなか治らない”と感じやすい傾向があります。

でも実は――
それには“理由”があるのです。


😿 猫の皮膚病は「完治」より「コントロール」が大切です

猫の皮膚病には、以下のような特徴があります:

  • 一時的に良くなっても、再発しやすい

  • 原因が一つとは限らない(アレルギー、感染、ストレスなど)

  • 症状が“かゆみ”ではなく“なめすぎ・毛が薄くなる”なので見逃しやすい

特に、猫のアレルギー性皮膚炎(アトピー性皮膚症候群)は、**慢性疾患(長く付き合う必要がある病気)**です。

「治らない」のではなく、正しい診断と継続的な治療で“コントロール”していく病気なのです。


💊 治療を途中でやめていませんか?

よくあるケースとして、

  • 「一時的に良くなったから」と薬を途中でやめてしまう

  • 症状が戻ったときに、また最初から治療しなおしている

  • ステロイドを使っても効かないと思い込み、あきらめている

こうした対応では、再発を繰り返し、“治らない”と感じてしまう悪循環に陥ります。

猫の皮膚病は、ある程度症状が改善してからも、

  • 少量の薬で“再発を防ぐ”

  • 定期的な診察で“状態を維持する”
    といった“コントロール”が非常に重要です。


🧪 ステロイド以外の治療法もあります

「ステロイドが効かない」とお悩みの飼い主さまへ――

猫には、**非ステロイド性の免疫抑制剤**が比較的よく効くことが知られています。
さらに症例によっては、

  • 非ステロイド系のかゆみ止めや抗ヒスタミン剤

  • 少量で力価の強いステロイド

  • 食事療法との併用

など、複数の治療選択肢を組み合わせて、症状のコントロールを行うことができます。


📖 実際に当院で治療した猫の症例はこちら

当院では、他院で「治らない」と言われた皮膚病の猫が、継続治療で改善した例も多数あります。

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ミヌエットのアレルギー性皮膚炎
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猫のアトピー性皮膚炎
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🏥 当院の皮膚病診療の特徴

  • 症状だけでなく、生活環境やストレス因子も重視した診療

  • 再発予防までを含めた継続治療プランをご提案

  • 他院や専門医に紹介された症例にも対応可能な治療選択肢


📩 最後に:あきらめる前にご相談ください

猫の皮膚病は「治らない」と感じやすいですが、
それは**“再発するもの”であり、“コントロールするもの”である**と理解することが大切です。

そして、適切な治療を選択し、根気強く向き合えば、
快適な生活を取り戻すことができる病気でもあります。

「うちの子もそうかも?」と思ったら、
どうぞお気軽にご相談ください。

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著者プロフィール

白井顕治(しらい けんじ)院長

獣医師、医学博士

日本動物病院協会(JAHA)獣医内科認定医・獣医外科認定医・獣医総合臨床認定医

当院は日本動物病院協会(JAHA)から認定を受けている動物病院です。

当院は国際ねこ医学会(isfm)よりキャットフレンドリーゴールド認定を受けている病院です。

【キャットフレンドリークリニックに関する情報はこちら】

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