実績詳細

トイプードルの膝蓋骨内方脱臼(パテラ内方脱臼)の手術

種類 トイプードル
年齢 1歳5か月
診療科目 軟部外科・整形外科 
症状 足に引っかかったリード引っ張ってから左後ろ足を上げる

症状の概要

膝蓋骨脱臼(ラテン語でパテラ)とは
膝蓋骨が外側もしくは内側に脱臼やゆるみがある状態のことを指し、膝の屈曲・伸展のたびに膝蓋骨が脱臼します。
原因としては先天的な脱臼、滑車溝が浅い、膝蓋靭帯の付着部の脛骨稜の位置や大腿四頭筋の異常、交通事故などによる外傷性が考えられます。
すべての犬に膝蓋骨内方脱臼は生じるが、ポメラニアンやチワワなどの小型犬やトイプードルなどのトイ種に特に発生が多い。

脱臼が繰り返されると、大腿骨滑車部の縁と膝蓋骨があたり軟骨がすり減るので、痛みと関節炎が生じます。また内方脱臼では骨の変形が生じ、重度では運動障害が生じます。

内方脱臼の症状としては以下のことが認められたりします。
スキップするように走る。
びっこや挙上をするがすぐに元通りに走れる。
脱臼時には負重ができない
動き始めに「のび」をすることが多い など

治療法において手術を選択するかは、びっこなどの機能障害、痛みや違和感の有無、骨変形がさらに進んでいくかどうかで判断いたします。
手術を行う場合、内側広筋のリリース、大腿骨滑車の増溝、脛骨粗面転植、関節包の包縫を組み合わせることで再脱臼率が減少することが報告されていますがグレードが低い場合には一部のみ行うこともあります。

検査結果

左後肢の膝蓋骨内方脱臼のグレード2と診断。

膝蓋骨内方脱臼時に完全挙上を認める。

 

触診およびレントゲン検査にて診断。

ご家族と相談し、整復手術を行うこととなった。

 

手術前レントゲン

治療方法

外科手術を実施(内側広筋のリリース、滑車溝造溝、脛骨粗面転植、関節包の包縫)を実施した。

 

治療・術後経過

翌日より足をよく使って歩いており、

術後2ヶ月経過したが再脱臼やびっこなどもなく順調な経過を辿っている。

 

経過良好

 

 

担当医・執刀医:清水 健

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