セルトリー細胞腫は去勢を行っていない高齢のワンちゃんにしばしば起こる睾丸腫瘍です。睾丸腫瘍の中には悪性の挙動を示すものも多いので、左右の睾丸の大きさに差を感じた場合には早めの受診をお勧めいたします。
実績詳細
犬の睾丸腫瘍:セルトリー細胞腫
検査結果
身体検査では、左鼠径付近に直径12センチほどの腫瘤が触知されました。
腹部レントゲン検査及び超音波検査を実施したところ、腫瘤の内容は充実性で血管に富む主要であることがわかりました。
また、本症例は未去勢であることと、片側の睾丸が萎縮していることから、睾丸腫瘍が強く疑われました。
胸部レントゲン検査や腹部超音波検査においても腫瘍の転移の兆候はありませんでしたので、外科的摘出をお勧めいたしました。
治療方法
全身麻酔下で主要化した精巣を摘出しました。
ーーー(以下 病理所見)ーーー
腫大した左精巣の病変は、セルトリー細胞腫と診断されます。セルトリー細胞腫は、潜在的に悪性の腫瘍であり、稀に転移性の病変を形成することが知られています。今回作製したスライドでは、少数の細胞が被膜内のリンパ管内に浸潤しています。精索部の断端には腫瘍性の病変は認められませんが、大型の潜在精巣であったことから、腹腔内リンパ節の状態について経過観察をお勧めします。
右精巣では、精子の形成が認められず、精巣萎縮と診断されます。加齢や精巣低形成があった
と考えられます。腫瘍性の病変は認められません。
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治療・術後経過
定期検診を行い、現在のところ転移や再発は認められていません。
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