病理所見にもある通り、犬皮膚組織球種は主に若齢~中年齢の犬に発症することが多いことはよく知られているが、今回の症例のように高齢犬に対しても発生することがあります。この腫瘍に対しても、外見上で診断できるということはありませんので、組織の一部を採取して検査を行うことが重要であるということがわかる症例だと思います。
実績詳細
イタリアングレーハウンドの外耳道に形成された犬皮膚組織球種
検査結果
症例は会陰ヘルニアの手術歴があるが、現在は良好に維持できている。
外耳道に腫瘤を認めた当初は、小さかったというのと、本人が気にしていなかったため、経過観察としていた。
今回本腫瘤が拡大傾向にあるため、鋭匙を用いて部分生検を実施した。
ーー以下病理組織検査所見ーー
検索した皮膚の腫瘍は犬の皮膚組織球腫と診断されます。犬の皮膚組織球腫は通常4から5歳くらいまでの若齢犬に好発する良性腫瘍ですが、全年齢を通じてその発生が認められます。今回検索した組織では、リンパ球の浸潤は少数で、最盛期の病変と考えられます。局所の切除により予後良好と考えられ、また、今後、退縮傾向を示す可能性も示唆されます。
ーーーーー
診断:犬皮膚組織球種
治療方法
病理組織所見より、ご家族と相談し、局所切除もしくは凍らせて除去するクライオ処置のどちらかの方法により除去することとした。
治療・術後経過
経過良好
担当医:白井 顕治
お気軽に
ご相談ください
志津しらい動物病院043-462-1122 受付時間 9:00~11:30 15:00〜18:30
佐倉しらい動物病院043-483-1212 受付時間 9:00~11:30 14:00~17:30