犬の瞼に形成される腫瘍としてはマイボーム腺由来の良性腫瘍であるマイボーム腺腫やマイボーム腺上皮腫が最も発生率が高いことが知られている。
しかし、肥満細胞腫やリンパ腫、メラノーマなどのそのほかの腫瘍が形成されることもあるため、細胞診を行い診断をつけてから手術に臨むことが重要である。
他にも、眼瞼組織は生理的機能を害さないように切除できる領域が限られているため、切除を行う場合には計画的に行うことが重要である。
実績詳細
ゴールデンレトリバーのマイボーム腺腫
種類 | ゴールデンレトリバー |
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診療科目 | 軟部外科・整形外科 眼科 腫瘍科 |
症状 | 左目の上に腫瘍がある 大きいため、セカンドオピニオンとして当院を受診 |
症状の概要
検査結果
症例は左上眼瞼に腫瘤を形成していた。
診断のため細胞診を実施した
ー以下細胞診所見ーーーーーーーーーー
円形や類円形の細胞はマイボーム腺細胞やマクロファージと考えられ、強い異型性は認められないことから良性のマイボーム腺腫が疑われますが、マイボーム腺からの分泌物のうっ滞によって肉芽腫性炎 (霰粒腫)が起こっている可能性もあります。
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マイボーム腺腫が第一に疑われたため、手術計画を立て手術を実施した
治療方法
腫瘤を把持し、切除した。
その後、眼瞼縁を合うように縫合し、手術終了とした。
治療・術後経過
術後2週間後、抜糸して治療終了とした。
ー以下病理所見ーー
摘出された左上眼瞼の病変は、マイボーム腺由来の良性腫瘍です。周囲には肉芽腫性の炎症が加わっていますが、マージン部に腫瘍性の病変は認められません。摘出状態は良好で、今回の切除により予後は良好と考えられます。
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比較的大型の腫瘤であったが、術後の顔貌の変化は生理的活動をするにあたり許容範囲におさまった。
治療終了とした。
経過良好
担当医・執刀医:白井顕治
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