口腔内の腫瘤性病変は、細胞診ではなく組織検査を実施することによって診断を下す必要がある。全身麻酔下での検査が必要となるので、発見してすぐの場合には、消炎剤を内服して1週間ほど経過観察を行う場合もある。本症例のように、内科療法に対して反応が乏しい場合には、腫瘍性病変である可能性を排除するために、速やかに検査を実施することが望ましい。
実績詳細
シュナウザーの歯肉過形成による慢性炎症
検査結果
症例は若齢であり、腫瘍性病変の可能性はやや否定的だが、上顎切歯部分の歯肉に腫大している部分が認められた。
若齢であるため、歯周は比較的きれいな状態であった。
非ステロイド系消炎剤を1週間用いたが、病変部がやや拡大したため、麻酔下で切除生検を実施することとした。
治療方法
麻酔下で切除生検を実施した。
ーーー以下病理所見ーーー
切除された左上顎の歯肉の病変は、慢性歯肉炎を伴った歯肉の過形成と判断されます。慢性的な刺激などにより引き起こされた反応性の変化と考えられます。検索した組織では、腫瘍性の病変は認められません。
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治療・術後経過
症例は特に患部を刺激する癖もなかったため、歯肉過形成が生じ、構造の変化によって炎症が誘発されたと考えられた。
腫瘍性病変ではないため、経過良好とした。
担当医:白井 顕治
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