角膜穿孔は、何らかの原因により、眼の表面の角膜に穴が開いてしまうことによりおこる病態で、外傷や慢性刺激、そして感染による角膜融解に等によっておこる。
角膜穿孔が起きてしまった場合は、その時の状況にもよりますが、治療目標を「視覚の維持」や、「眼球の温存」等と設定し、それ以上病状が進行しないように外科的もしくは内科的に治療を行っていきます。治療内容は穿孔を起こした理由、犬種や持病の有無、年齢によっても進められる治療法が異な理ますが、緊急疾患であることには違いはないため、早期に動物病院を受診しましょう。
実績詳細
シーズーの角膜穿孔に対する点眼療法
種類 | シーズー |
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年齢 | 13才 |
診療科目 | 眼科 |
症状 | 眼が白く、何か飛び出ている |
症状の概要
検査結果
身体検査及び眼科検査の結果、主訴である右眼に異常が認められた。
結膜充血、角膜浮腫、角膜潰瘍および角膜穿孔によるフィブリン栓が認められた。
目脂の顕微鏡所見より細菌感染が認められたため、、感染性角膜潰瘍の結果、角膜融解が起こり穿孔に達したと判断された。
治療方法
通常角膜穿孔を起こしている場合には、全身麻酔下で眼科手術を行う必要があるが、
症例は中程度のグレードの心臓弁膜症を患っていたということと、高齢であることから、ご家族と相談した結果、点眼および内服療法によってコントロールすることとした。
経口の抗炎症剤と抗生剤および点眼の抗生剤と角膜保護剤の頻回点眼を行った。
治療・術後経過
治療開始1か月後には、穿孔部位は平たん化し、角膜実質の厚さは非穿孔部位と同程度になった。
角膜の混濁はまだ残っており、視覚は以前と比べて悪くなった様子であるとご家族からお話があったが、ブドウ膜炎や感染は起きておらず、経過としては良好と判断した。
今後は目脂や結膜充血の様子を確認しつつ、抗生剤の点眼を継続していくこととした。
経過良好
担当医:白井 顕治
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