猫ヘルペスウイルは角膜や結膜、鼻粘膜に多く障害を起こし、猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)や角膜炎・結膜炎の原因となる。角膜や結膜に障害を起こす場合には、充血や表層の障害を起こすことが特徴的であるため、視診やスリットランプ検査、フルオロセイン染色を用いて検査を実施する。
このような場合にウイルスをPCRで検出することも悪い手段ではないが、猫ヘルペスウイルスは症状を出していない猫からも検出されてしまうことがあるため、現在起こしている症状の原因となっているかは不明である。また、ヘルペスウイルスが原因であったとしても、ウイルスが排泄されていなければ検査では陰性となってしまうことがあるため、陽性と出ても陰性と出ても確定的な所見とは受け止められないので、あくまで補足的な検査と考える。
実績詳細
スコティッシュフォールドのヘルペスウイルス性結膜炎
種類 | スコティッシュフォールド |
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年齢 | 4歳 |
診療科目 | 眼科 |
症状 | 最近涙が多い |
症状の概要
検査結果
症例は普段から涙が多めで、最近特に多くなってきたということだった。
観察すと軽度の眼瞼結膜の充血が認められたため、フルオロセイン染色を実施した。
わずかだが目ヤニが出ている
フルオロセイン染色を行うと、眼球結膜が薄く染色されている。
結膜表層の障害を起こしていることから、ヘルペスウイルス性の結膜炎を起こしていることが強く疑われた。
治療方法
ヘルペスウイルス性の結膜炎を強く疑うが、症例は流涙や充血の程度も軽度であるため、ご家族と相談し、ヒアルロン酸点眼のみを実施した。
治療・術後経過
点眼開始2週間後、流涙と目ヤニは減少してきたとのことだった。
そのため、今後も症状に応じてヒアルロン酸点眼を実施していき、より症状が重度になってきたらこうヘルペス薬の内服を行うかどうか考えることとした。
担当医:白井 顕治
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