本症例では、子宮水腫であったことから、排尿回数が多いメインの理由は膀胱結石による頻尿であったと考えられる。
膀胱結石は種類によって内科的に溶解することも可能であるが、本症例の結石は溶解することができないシュウ酸カルシウム結石であった。
実績詳細
チワワの子宮水腫と膀胱結石
種類 | チワワ |
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年齢 | 9歳 |
診療科目 | 軟部外科・整形外科 泌尿器科 |
症状 | 排尿の回数が多い |
症状の概要
検査結果
排尿回数が多いということで、主に泌尿器に異常が認められる頻尿なのか、それ以外の理由によることが多い多尿なのかを鑑別するため、スクリーニング検査を実施したところ、優位に拡張した子宮及び膀胱結石を確認した。
いずれも頻尿や多尿につながる外科対応となる異常であるため、ご家族と相談した結果手術を行うこととなった。
治療方法
術前の様子
拡張した子宮
膀胱結石を摘出し、縫合した膀胱。
慢性的な膀胱炎が存在しており、硬結した膀胱壁であった。
治療・術後経過
手術翌日から頻尿の症状は改善され、血尿も認められなかった。
ーーー以下病理所見ーーー
摘出された子宮では、子宮角において、内腔の拡張が起こっており、子宮水腫と診断されます。子宮蓄膿症の前段階と考えられる変化であり、子宮頸部では初期の炎症が始まりつつあります。
両側の卵巣では、複数の嚢胞が形成されていますが、この変化は、しばしば偶発的に卵巣に認められる非腫瘍性変化です。
腫瘍性疾患も検出されなかったため、治療終了とした。
現在、膀胱結石の再発が無いよう経過観察中
担当医:白井 顕治
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